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令和3年(2021年)3月5日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について

日医定例記者会見 2月10・17日

新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について

 中川俊男会長は冒頭、2月13日深夜に発生した福島県沖を震源とする地震による被災者に対してお見舞いの言葉を述べ、福島県内の医療機関において外壁、水道管の破損等が見られるが、深刻な被害の発生はなく、日本医師会として地震発生の6分後には、都道府県医師会との情報共有システムにより、関係医師会に情報提供を求めたことを報告するとともに、新型コロナウイルス感染症の最近の動向を踏まえた日本医師会の見解等について説明した。

(1)総論

 昨今の新型コロナウイルス感染症の感染状況について、全国的に新規感染者数は減少し、医療提供体制等の6指標も全体的に改善傾向にあるものの、緊急事態宣言対象の10都府県においては、患者に占める高齢者の割合が増えるだけでなく、病床使用率や重症患者数は依然として高いと指摘。緊急事態宣言を解除するためには、新規感染者数及び、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度合の解消が重要であると強調した。
 更に、10都府県に発令されている緊急事態宣言を解除するに当たっては、政府に対して前倒しの議論ではなく、引き続き冷静で大局的な判断を求めたいと述べるとともに、「全国規模でのワクチン接種の前に、新規感染者を限りなく少なくし、その状態を維持し、第4波が来ないレベルまで徹底的に感染者を抑え込む。その状態でワクチン接種を推進し、一気に収束への道筋をつけることが必要である」として、理解を求めた。

(2)ワクチン接種について

 2月10日の菅義偉内閣総理大臣らとの意見交換の際に、「ワクチン接種には地域の医療機関の協力が不可欠であり、日本医師会には、引き続きリーダーシップを発揮し、接種体制の整備への支援をお願いしたい」と総理から要請を受けたことを報告。日本医師会として地域の医師会と共に、接種希望者が滞りなく、安心して接種を受けられるよう、地域の実情に応じた接種体制の構築に向けて取り組んでいるとした。
 更に、かかりつけ医によるワクチン接種においては、基本型接種施設から診療所や中小病院へのワクチンの小分け作業や配送に関する業務負担増が懸念されることから、日本医薬品卸売業連合会と連携を強めることで合意していることを改めて説明。また、今回新たに日本薬剤師会からも協力の申し出があったことを明らかとし、特に基本型接種施設においてはワクチンの検収、小分け管理など、医薬品の取り扱いを熟知した薬剤師の支援が得られることはありがたいとして、その意義を強調した。
 加えて、国民がワクチン接種を受けるかどうかの判断の参考としてもらうため、ワクチンの効果、副反応などをまとめた冊子を作成中であることを報告。かかりつけ医だけでなく一般の方にも活用してもらえるように、日本医師会のホームページからダウンロードできるようにするための準備をしているとした他、会員に対して、ワクチン接種に必要な情報を共有することを目的として「新型コロナウイルスワクチン速報」を作成し、その掲載を2月16日より開始したことを紹介した。
 その上で、2月14日に日本で初めて新型コロナウイルスワクチンが薬事承認され、17日から国立病院機構、地域医療機能推進機構(JCHO)、労働者健康安全機構(労災病院)に勤務する医療従事者への先行接種が始まったことに言及。
 ワクチン接種が開始されたことにより、これまでの「守り」の闘いから、「攻め」に転じることができるとして、その効果に期待感を表明。接種後の健康状態や有害事象等について収集された情報は、日本医師会においても解釈を示すこととし、国民に対しては、「ワクチン接種が広く全国民に行き渡るにはかなりの時間を要することから、これまで以上に守りを固めて、マスクの着用、手洗いなど徹底的な感染予防をお願いしたい」と呼び掛けた。

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