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令和4年(2022年)2月20日(日) / 日医ニュース

発熱外来の拡充、今後のワクチン接種推進に全面協力を約束

発熱外来の拡充、今後のワクチン接種推進に全面協力を約束

発熱外来の拡充、今後のワクチン接種推進に全面協力を約束

 中川俊男会長は、2月1日に後藤茂之厚生労働大臣とWEBで、3日に堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣と日本医師会館で相次いで会談。両大臣から、発熱外来の拡充や今後のワクチン接種推進等に対する協力要請を受け、全面的に協力していく考えを伝えた。

後藤厚労大臣との会談(2月1日)
抗原定性検査キットの配分を要請

 冒頭、後藤厚労大臣は、オミクロン株による感染が急拡大し、1日当たりの新規陽性者数が全国で8万人を超えた状況において、国民の命と健康を守るため、(1)発熱外来の拡充、(2)ワクチンの3回目接種(追加接種)の前倒し、(3)早期退院する患者等の受け入れの促進―への対応が急務であると強調。
 (1)では、検査や診療の予約が取りづらい、予約から接種までに間隔が空く状況にあるとし、現在約35000機関で行われている発熱外来が更に拡充されるよう、日本医師会から呼び掛けていくことを要請。
 (2)では、自治体に対して、高齢者への追加接種を早期に完了し、一般の方についても6カ月経過した後、順次接種を行い、前倒しすることも要請していると説明した上で、接種に向けた協力を求めた。
 (3)では、重点医療機関以外の医療機関においても、早期に退院する患者や療養解除後の患者を受け入れていくことを求めるとともに、高齢者施設の感染管理や診療のため、医師を派遣することなどを要望した。
 中川会長は、これらに協力していく姿勢を示した上で、現在全国的に不足が叫ばれている抗原定性検査キットの診療・検査医療機関への最優先配分が必要であることを指摘。検査キットやワクチンの供給がなされれば、現場の医療機関は十分に遂行できるとした。
 また、医療従事者の濃厚接触者の待機期間の取り扱いにおいて、「最終暴露日から4日目、5日目の抗原定性検査で陰性だった場合、5日目から解除する」こととされたが、PCR検査や抗原定量検査での解除が盛り込まれなかったことを伝え、「抗原定性検査キットが十分確保できない場合もあることから、医療従事者が安心して業務に従事するためにも改めて検討をお願いしたい」と述べた。
 これに対して、後藤厚労大臣は、抗原定性検査キットが一般薬局からの大量発注によって品薄となったことを受け、医療機関や自治体等へ優先配分する方針を明確にしたことや、ワクチンの追加購入の予定を伝え、理解を求めた。
 この他、追加接種を進めるためには、交互接種への正しい理解が重要であるとの認識が共有され、後藤厚労大臣は「政府も、リーフレットやテレビCM等で周知に努めているが、地域のかかりつけ医の言葉は非常に影響力が大きいので、協力頂きたい。今後も連携しながら乗り切っていきたい」と総括。中川会長も、「厚労省と強力なタッグを組んで、この非常事態に対応していく」と応じた。

堀内ワクチン接種推進担当大臣との会談 (2月3日)
ワクチンの円滑な供給と医療機関の事務作業負担の軽減を求める

220220a2.jpg 冒頭のあいさつで、堀内大臣は昨年12月からワクチンの3回目接種(追加接種)を開始し、その総接種回数は約555万回となったこと、1日当たりの接種回数も50万回を超えたことなどを報告。「ワクチン接種も徐々にではあるが本格化しつつある」として、全国の医療従事者に感謝の意を示した。
 その上で、堀内大臣はより多くの国民に接種してもらうためには、追加接種の必要性や交互接種に関する情報発信が特に重要になると指摘。身近なかかりつけ医から提供される情報が一般の方にとっては信頼性が高く、最も説得力があるとして、日本医師会に対して、政府が作成しているリーフレットや動画などを会員の先生方に活用してもらい、追加接種の効果や安全性に関する周知をお願いしたいとして、協力を求めた。
 引き続きあいさつした中川会長は、柔軟な接種の前倒しなど、その時々に応じた迅速な決断に感謝の意を示した上で、現時点で全国民の約8割が2回接種を済ませている一方で、必ずしも追加接種が進んでいないことに懸念を表明。交互接種についての十分な情報提供がなされていないことがその要因の一つであるとして、改善を求めた。
 ワクチン接種については本人が納得、同意した上で(15歳以下は保護者の同意が必要)、接種希望者が速やかに接種を受けられることが大切だとし、日本医師会としても公式YouTubeチャンネルに動画を掲載するなど、接種を受けるかどうかの判断をするための、必要かつ正確な情報を発信し、ワクチン接種を推進していく意向を示した。
 更に、地域の医療機関からはワクチン供給の先行きに不安の声が常に上がっていることを説明し、「ワクチンさえあれば、現場の医療機関はしっかりとワクチン接種を遂行できる」として、ワクチンの円滑な供給とともに、接種機関の事務作業の負担軽減を求めた。
 その後の意見交換では、中川会長がモデルナ社製のワクチンについて、当初副反応に関する報道が多くなされたことで国民に不安感が残っているとして、その解消に向けた協力を要請。
 釜萢敏常任理事は、日本医師会が制作した動画において、(1)ファイザー社製ワクチンを2回接種した人の場合、3回目はモデルナ社製を接種した方が抗体価の増加が見られる、(2)現在のワクチンでもオミクロン株への効果が期待できる―ことなどを説明していることを紹介するとともに、引き続き、どの製薬企業のワクチンかで心配するよりも、早く接種することが大切であることを強調していきたいとして、国からもそれらの点に関する情報発信を求めた。
 これらの要望に対して、堀内大臣は「国としても、しっかり行っていきたい」と述べるとともに、日本医師会が動画を制作していることについては「大変心強い」として、感謝の意を示した。
 また、ワクチンの供給に関しては、4月までには8500万回分のワクチンを供給していくことなどを説明し、理解を求めた。

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