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令和4年(2022年)4月28日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の現況について

 中川俊男会長は4月27日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染状況及びワクチン接種の現況、ゴールデンウィーク中の医療提供体制について、日本医師会の見解を説明するとともに、大型連休を迎えるに当たっての感染対策の徹底を呼び掛けた。

【感染状況について】
 中川会長はまず、感染状況について、厚生労働省が4月22日に公表した指標では全体として減少傾向であるが、大幅な減少にはなっておらず、1日の新規感染者は4万人前後の推移と、依然として高い水準であることを報告。その中でも20歳代以下の感染が半数を占めており、重症化しにくい若い世代であっても一定の感染が拡がれば、他の世代への感染拡大にもつながると指摘した。

【ワクチン接種について】
 4月25日現在、3回目の追加接種の接種率は全体で半数に達し、20、30歳代の3回目の接種率も3割を超えたことを報告し、未接種者、特に若年層の人に、追加接種を受けることの積極的な検討を呼び掛けた。

【大型連休について】
 中川会長は、日本人は公衆衛生意識が高く、手洗いや消毒の他、法律で義務化されていなくても多くの人がマスク着用に努めていたことが感染抑制につながったとして、2年以上にわたる感染対策の徹底に感謝の意を表した上で、「医療現場としては、ウィズ・コロナの下でも当面、感染抑制のためにマスク着用にご協力願いたい」と理解を求めた。

 その上で、ゴールデンウィーク前に気温が上昇してきたことを踏まえ、熱中症対策として、屋外などで十分な距離を保てる時はマスクを外す対応もできることを説明するとともに、子どものマスクに関する使用の注意点や、周りの大人が十分に気を付けて欲しい旨を説明した。

 ゴールデンウィーク中の医療提供体制については、昨年の同時期と比較して、急激な感染拡大を引き起こすオミクロン株を前提に、各都道府県で、確保病床や臨時の医療施設、酸素ステーションなど、入院待機施設を即座に稼働できるよう準備し、地域の実情に応じた医療機関ごとの役割分担、関係者の連携も行っていることを説明。救急医療については、「救急搬送困難事案」(救急隊による「医療機関への受入れ照会回数4回以上」かつ「現場滞在時間30分以上」の事案)は減少傾向であるが、4月第4週目は全国の主要都市で2560件と高い水準にあり、コロナ以外の事案の割合が多いことも変わりないと指摘した上で、コロナ医療、コロナ以外の通常医療の両立のために、ゴールデンウィーク中の感染拡大への注意を呼び掛けた。

 また、日本医師会としても、都道府県医師会に、郡市区医師会と共に、連休に向けた医療提供体制の構築や関係自治体との連携を依頼していることを明らかにした。

 更に国民に向けては、連休中に旅行する場合、急な発熱に備えて、あらかじめ訪問先の自治体のホームページで相談窓口や発熱外来の情報を得るよう求めた他、自治体によっては連休中の発熱外来診療体制が通常と異なる場合があるとして、外出しない人も地元の自治体のホームページを確認するよう要望。高齢者施設にいる親族を訪ねる際には、万が一クラスターが発生した場合、その施設では多くの感染者が入院できず、その施設から移動できない事態になる恐れがあるため、訪問前の3回目の追加接種または検査を受けるよう呼び掛けるとともに、4月6日付で、厚生労働省医政局長、老健局長の協力依頼を受け、都道府県医師会に対して協力医療機関の登録など、各地域の高齢者施設等への医療支援の更なる強化や高齢感染者への対応を既に依頼していることも報告した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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