閉じる

令和4年(2022年)8月20日(土) / 日医ニュース

新型コロナへの対応に両団体が引き続き協力していくことを確認

新型コロナへの対応に両団体が引き続き協力していくことを確認

新型コロナへの対応に両団体が引き続き協力していくことを確認

 松本執行部発足後初となる「新型コロナウイルス感染症に関する全国知事会と日本医師会との意見交換会」が7月28日、WEB会議により開催された。
 冒頭のあいさつで平井伸治全国知事会長(鳥取県知事/新型コロナウイルス緊急対策本部長)は、松本吉郎会長の当選に祝意を伝えた上で、オミクロン株の亜種「BA.5」の感染力の強さを踏まえた対策の必要性を知事会として求めてきたことを説明。本意見交換会に先立って、政府に『新たな変異株の感染急拡大に対する緊急建議』を提出したことなどを紹介し、「医師会と知事会は、最も危機感を共有している仲間だと思っている」と述べ、引き続きの協力を要望した。
 続いて、松本会長は、全国知事会と基本的に同じ方向を向いているとして、考え方を共有しながら連携していく姿勢を示した上で、7月22日に岸田文雄内閣総理大臣から、有症状者の希望者に、診療検査医療機関にて検査キットを配布することへの協力要請があったこと及び、要請を受けた対応等について説明。「必要な方に検査キットを配るため、各都道府県知事の皆様には都道府県医師会との更なる連携強化をお願いしたい」と述べるとともに、配布が適切かつ迅速に行われるよう、各地域の実情に応じた仕組みをつくることも併せて要請した。
 更に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について、現在、政府・与党に対し、臨時交付金を積み増しして、医療機関や介護事業所等への支援に係る財源を確保することを要望していることに触れ、「今般の光熱費、食材費を始めとする物価高騰は、公定価格で経営する医療機関等に大きな影響を及ぼしている。各都道府県においては、この臨時交付金を用いてぜひ、医療機関・介護事業所等に対する支援をお願いしたい」と述べた。

多くの知事から新型コロナの感染症法上の取り扱い見直しを求める意見

 意見交換では、まず、内堀雅雄福島県知事(同本部長代行/同副本部長)が同日、全国知事会が取りまとめた『新たな変異株の感染急拡大に対する緊急建議』について紹介。「医師会との連携は、地域医療の充実確保はもとより、現在の危機的感染状況を乗り越える上でも極めて重要」と述べた。
 濵田省司高知県知事(同ワクチンチームリーダー)は、新型コロナの検査希望者が急増する中、医療機関の負担を軽減するような形で、検査キットの配布方法を検討しているとした他、ワクチンの4回目接種等への協力を要望した。
 黒岩祐治神奈川県知事(同副本部長)は、神奈川県の自主療養制度で、配布される検査キットの活用を検討していることや、新型コロナの感染症法上の取り扱いを見直すべきとの意見が多くの知事から出されていることを説明。「新型コロナを全医療体制で診ていくことを日本医師会から全国の医師会に向けて発信して欲しい」と要望した。
 西脇隆俊京都府知事(同副本部長)は、保育園や学校等の休校等の影響で、子どもの世話のために休まざるを得ない医療従事者が増えていることから、府として業務継続のための支援をしていることを紹介し、国による支援も必要との認識を示した。
 杉本達治福井県知事(同幹事長)は、新型コロナの感染症法上の取り扱いについて、制度を実態に合わせていく時期に来ているとする一方で、薬やワクチン代は国の負担のままにすることなどを要望した。
 続いて、日本医師会の発言に移り、茂松茂人副会長が、「小さな診療所でも高齢者等の感染対策のため、時間的・空間的に分けて対応しているところもあるが、それができない場合には自治体等で発熱外来をつくり、交代制で医師が入る形も考えられる」とし、「各医師会と自治体が協力し合い、患者さんが困らないような対応を考えていく必要がある」とした。
 角田徹副会長は、感染症法上の取り扱いについて、「BA.5」は重症化が少ない一方、感染力が非常に強いことも考慮する必要があるとした他、検査キットの配布が始まり、陽性者が増えてきた際には、各都道府県で重症化リスク等を踏まえた"交通整理"が必要との認識を示した。
 釜萢敏常任理事も、配布された検査キットで陽性になった人の動線をどのようにするかが極めて重要になると強調。地域にトリアージ機能をもつ仕組みを構築する必要性を指摘するとともに、各都道府県のコールセンター等の拡充を要望した。
 最後に、松本会長は、「各知事から重要な提言を頂いた」として感謝の意を示すとともに、感染症法上の取り扱いについては、国の検討会等でしっかりと発言していくとした。
 また、検査キットの配布については、「現場に混乱を来さない形でしっかりと運用していきたい」と述べた。
 平井全国知事会長は、検査キットの配布や陽性者の動線の問題について、地域の特性に合わせた対策をとっていくことが重要とした他、地方創生臨時交付金による今般の光熱費、食材費を始めとする物価高騰への対応については、知事会でも議論していく意向であることを紹介。同交付金に限らず、他の交付金や仕組みも考えられるとの見方を示し、「力を合わせ、今後も持続可能な医療経営ができるようにしていきたい」とした。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる