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令和5年(2023年)6月21日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルスの感染状況について

 釜萢敏常任理事は、新型コロナウイルス感染症の感染状況や医療逼迫状況等について、6月16日開催の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでの報告を基に、日本医師会の考えを説明した。

 まず、釜萢常任理事は、新型コロナウイルス感染症の感染状況について、4月上旬から新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は緩やかに増加しており、5月8日の5類感染症移行後も上昇傾向が続いているとの報告を受けたことを説明。5月の連休明けには感染者数の大きな波が起こるのではないかと予測されていたことに関しては、「現在、確認されていない」としつつ、今後、夏に向けて、さまざまな条件が重なることで感染者数の増加が続く恐れもあると指摘した。

 また、医療の逼迫状況や救急搬送困難事案については、全国的に逼迫や救急搬送困難事案は見られていないが、モニタリング検査の結果からは少しずつ逼迫度合や救急搬送困難事案件数が増加していることが示されており、特に沖縄県で逼迫度合が強まっていると強調。その上で、釜萢常任理事は、5類移行に伴い、行政の関与が減ったことから、医療の逼迫状況が地域に幅広く周知されなくなったことに加えて、対応に追われている医療機関の状況が共有されないため、一部で協力が困難となる状況が起こっているとした他、医療従事者の感染により、医療機関の診療能力が低下することも医療体制に影響を与えてしまうと指摘。今後の改善策としては、1.地域の感染状況をしっかり共有し、適切に対応していく2.医療逼迫の前兆を感じた際には、迅速に情報共有を行い、対応を考える3.入院が必要な人に速やかに病床を用意できるよう準備しておく―ことが挙げられるとした。

 更に、献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルス感染症の抗体検査については、新型コロナに感染した場合に陽性となる抗N抗体の保有率は上昇あるいは地域差があるとした上で、「沖縄県は抗体保有率が非常に高いにもかかわらず、現在も感染拡大が一部で見られること」「イギリスなどと比較すると、日本は抗N抗体の保有率が低い状況にあること」に触れ、今後注視していかなければならないと指摘。日本医師会として、今後もそれぞれの医療現場において、適切な対応ができるよう、更に力を尽くしていく考えを示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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