私の町には小学校が3校あり、そのうちの2校の学校医を平成元年より務めてきた。
しかし、今年の3月をもってその2校は廃校となり、残りの1校に統合された。学校医を始めた頃は両校共1学年30名程度(1クラス程度)で、全校で150名程度だった。時代とともに子ども達の数はどんどん減少し、廃校時には全校生徒で30名を切ってしまった。
私の小学校時代は、1年から6年まで1学年100名程度、全校で600名程度と結構な人数だった。朝は近所の子ども達と集団登校だった。学校の行き帰り、運動会などの行事も地域の人々は一緒に見守り、楽しむ付き合いであった。
廃校になると聞いた時、一番心配したのは、地域全体が寂しくなってしまうことだった。もちろん少子化が原因ではあるが、それよりも人口減少が著しい。人口減少、人材不足問題で病院や診療所の経営も厳しく、病院のダウンサイジングや診療所の閉鎖も続き、日常診療のみではなく救急医療体制にも影響が出てきている。また、医療界だけでなく、多くの職種で人材不足が生じている。
学校の廃校に直面して人口減少、少子化問題の危機感を再認識した。
(禿)