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令和7年(2025年)11月26日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

国宝「医心方」のユネスコ「世界の記憶」登録に向けた仁和寺への視察について

 茂松茂人副会長は11月26日の定例記者会見で、日本医師会が2016年12月より、国宝「医心方」のユネスコ「世界の記憶」への登録を目指して活動をしてきており、今回その活動の一環として、11月17日に日本鍼灸師会の協力の下、京都の仁和寺で国宝「医心方」の視察を行ったことを明らかにした。

 同副会長は、まず、ユネスコ「世界の記憶」(手書き原稿、書籍、新聞、ポスター、地図、映画・フィルム、写真、デジタル記録等を、人類史において特に重要な記録物として国際的に登録する制度)について紹介。その上で、「医心方」は平安時代に宮中医官を務めた丹波康頼が撰した日本に現存する最古の医学書で、984年に朝廷に献上されたことや、京都・仁和寺の「医心方」は1952年に、東京国立博物館の「医心方」(半井家本)は1984年に、いずれも国宝に指定されたことなどを解説した。

 また、本文は全て漢文で書かれ、引用した隋・唐・朝鮮の医書や方術書は120以上に上るが、中には既に散逸してしまい「医心方」によってのみ、その存在を知り得る書物も少なくないとして、「文献学などの日本の文化史上においても価値の高いものとされている」と述べ、ユネスコ「世界の記憶」への登録を目指す意義を強調した。

 茂松副会長は、今後について、ユネスコ「世界の記憶」の登録に係る審査は2年に1回であることから、日本医師会として、2027年の申請、2029年の登録に向けて、引き続き取り組みを進めていく考えを示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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