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令和7年(2025年)12月18日(木) / 「日医君」だより

社会保障を守る会緊急集会に出席し、医療・介護・福祉業界を守るための決議を採択

 松本吉郎会長は12月18日、自由民主党本部で急きょ開催された「社会保障を守る会緊急集会」に出席し、医療機関の窮状を踏まえ、令和8年度診療報酬改定が大幅なプラス改定となるように強く訴えた。緊急集会では、物価・賃金の上昇に苦しむ医療・介護・福祉業界を守るための対応を求める決議を採択。緊急集会終了後には、呼びかけ人である自民党国会議員が総理官邸を訪れ、高市早苗内閣総理大臣に直接、要望を行った。

 決議では、令和7年度補正予算はあくまで「現状の赤字補填」であるとし、賃上げや物価高騰に本格的に対応することを見据え、令和8年度診療報酬改定、更には非改定年である介護・障害福祉サービス等報酬改定において、現場の思いを確実に反映するための対応を要請。

 具体的には、(1)医療機関が経営を安定させ物価高騰に対応できるよう、離職防止、人材確保を可能とする賃上げ環境を整えること、(2)具体的には、令和8年度診療報酬改定において、現役世代の保険料負担抑制にも配慮しつつ、令和7年度補正予算に盛り込まれた医療機関等への支援効果を減ずることなく継承し、その上で今後の物価上昇・賃金増を反映し、デフレ下とは異なる新たな経済動向にふさわしい大幅なプラス改定とすること。また、創薬力向上・医薬品安定供給に配慮しつつ、必要十分な改定を行うこと、(3)令和8年度介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定においては、介護・障害福祉従事者について、他産業平均と遜色ない賃金水準となるよう、令和7年度補正予算を上回る賃上げを行うこと。また、介護・障害福祉サービス等事業者の経営の安定に確実につながるよう、引き続き物価高騰の対応を行うこと、(4)令和9年度は介護報酬、障害福祉サービス等報酬の改定が実施年であり、診療報酬についても、賃金・物価上昇等を踏まえ、報酬を機動的に調整する対応が可能となるような仕組みを実施すること―の4項目の実現を強く求めている。

 今回の緊急集会は、自民党国会議員の有志と関係団体が一堂に集まった上で決議を採択し、4項目の実現を国に訴えることを目的として、急きょ開催されたにもかかわらず、会場には800人を超える関係者が集結するとともに、オンラインで全国に配信した。

 緊急集会は石田昌宏参議院議員と自見はなこ参議院議員の司会で開会。冒頭あいさつした社会保障を守る会代表の田村憲久衆議院議員は、改定率決定に向けて正念場を迎えている現状を踏まえ、「現場の声をぜひ官邸へ届けて、財務省をねじ伏せなければならない」と強調。更に医療・介護・福祉分野で働く人が約940万人になったことにも触れ、「この分野の賃金が上がらなければ、日本の働く人々の所得が上がる訳がない。我々自民党の国家議員は腹をくくって戦い抜く」と力を込めた。

 続いて、鈴木俊一自民党幹事長と後藤茂之衆議院議員、加藤勝信衆議院議員、福岡資麿参議院議員が登壇し、それぞれ激励のあいさつを行った。

 その後は医療・介護・福祉の関係団体の代表者らが決意を表明。白衣を着用し、赤いはちまきを巻いてあいさつした松本会長は、公定価格が上がらない中で、賃金・物価が上がれば当然赤字になっていくとし、「その分の診療報酬をちゃんと手当てして欲しい。大幅なベースアップをして欲しい。私たちは本当にごくごく当たり前のお願いをしているということを、大きな声を出して訴えよう」と呼び掛けた。

 引き続き、古賀篤衆議院議員が決議内容の説明を行った上で、決議を採択。最後に鬼木誠衆議院議員による「頑張ろうコール」が行われ、参加者全員で決議の実現に向け、思いを一つにした。

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