令和8年(2026年)9月5日(土) / 「日医君」だより / 日医ニュース
令和8年熊本地震の被災地を視察し、現地の医師やJMATを激励 国へ被災状況を伝えるとともに更なる支援を求める意向を表明
松本吉郎会長
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見舞金の目録を水足熊本県医会長に手交する松本会長(左から2番目)
見舞金の目録を水足熊本県医会長に手交する松本会長(左から2番目)
| 松本吉郎会長は8月9日、令和8年熊本地震の被災地を訪問。福田稠前熊本県医師会長や水足秀一郎熊本県医師会長らの案内の下、県庁内に設置した熊本県JMAT調整本部や現地に設けたJMAT調整地域本部などを視察し、被災地支援に当たる医療関係者を激励した。 |
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松本会長は熊本駅に到着後、福田前熊本県医会長と合流し、地震で特に大きな被害を受けた地域の一つである宇城市に向けて出発。現地に到着後、水足熊本県医会長や江上寛下益城郡医師会長の案内で、JMAT調整宇城地域本部を視察した。
同本部では、JMATとして被災地支援に当たっている小林邦生愛知県医師会副会長らと面会。松本会長は酷暑の中、日々献身的に支援活動を展開していることへの謝意を示した上で、被災状況について尋ね、「トイレが足りていなかったが、ポータブルトイレが徐々に入り出している」「飲み水はあるが、内視鏡を洗う水などが不足しているため、その対応を行っている」「夜間に看護師が足りていない所がある」といった説明を受けた。
水足熊本県医会長に見舞金の目録を手交
その後、下益城郡医師会館に移動。江上下益城郡医会長からは、同医師会館や管下の宇城市並びに下益城郡美里町で開業している病院・診療所の被害状況について報告を受けた。
それによると、(1)多くの医療機関が一部損壊の状況にある、(2)各医療機関の努力で制限付きの診療を継続してはいるものの、かかりつけ患者への処方箋(せん)発行で精一杯となっている、(3)ライフラインについては断水の影響が深刻だが、断水が解消されれば、多くの医療機関は通常診療に戻れる―とのことであった。
また、断水への応急的な対応として、井戸水の利用や自衛隊による給水を受けるなどしている他、大量の水を要する透析患者のうち、重症者は速やかに熊本市に移送するなどの対応を行っているとの説明も受けた。
その他、避難所の開設状況等については、①管内14の避難所に3000名弱が避難中である②定員オーバーとなっている避難所では感染症の発生が懸念される③現在、DMATによる医療援助が行われているが、DMAT撤収後はJMATによる切れ目のない医療援助が必要となる―などの説明があった。
これらの説明を受け、松本会長は、「江上下益城郡医会長を始め、地域の医療提供体制を維持するために奮闘している医師に改めて感謝したい」と述べるとともに、災害関連死の発生状況等についても確認し、医療機関の被害状況や、避難所及び断水の状況について、責任をもって国に伝える意向を表明。また、会談終了後には松本会長から水足熊本県医会長に、見舞金の目録を手交した。
続いて、被災した「まつばせレディースクリニック」を訪問し、田中博明院長から発災当時の状況などについて聞き取りを行った。
同院長は、入院していた患者は無事で、関連施設の福田病院(熊本市内)に移送するなど、患者の安全を第一に避難対応を行ったことや、地震の影響でクリニックの外壁と施設内の設備等が大きな被害を受けたものの、少しずつ診療を再開していることなどを報告。「一日も早く通常の分娩体制に戻せるよう、全力で復旧作業に取り組んでいる」と話した。
最後に訪問した熊本県JMAT調整本部では、まず、東京都医師会の五十嵐豊JMAT調整本部統括より、全体の状況や各地から寄せられた課題及びその対応について、また、福岡県医師会の横倉義典統括JMATからは、JMATによる支援の在り方についてそれぞれ報告を受けた。
産業医科大学の平田敬治副学長並びに立石清一郎教授からは、被災地支援に当たる医療従事者支援について、①時間の経過とともに心身の疲労がたまっていくため、今後の援助が重要になっていく②被災地の労働者は孤立感が募ることもあるので、援助機能の一つとしてのセーフティーネットが必要―等の説明を受け、松本会長も理解を示した。
断水からの早期復旧が医療提供体制回復のカギ
視察を終えた松本会長は、今回の震災について、「断水からの早期復旧が地域医療提供体制回復のカギになる」と強調するとともに、日本医師会として、被害のあった地域に必要な支援が行きわたるよう、国への情報提供と支援要請を引き続き行っていく考えを改めて示した。
問い合わせ先
日本医師会広報課、地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)



