令和6・7年度会内委員会答申・報告書(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載)


第XⅢ次生涯教育推進委員会はこのほど、会長諮問「かかりつけ医機能報告制度を踏まえた日本医師会生涯教育制度のあり方について」に対する答申を取りまとめ、当時担当の今村英仁常任理事同席の下、長谷川仁志委員長(秋田大学大学院医学系研究科医学教育学講座教授)から松本吉郎会長に提出した。
「第1章 総論」では、日医かかりつけ医機能研修制度と厚生労働省の「かかりつけ医機能報告制度」の違いなどに触れつつ、日医生涯教育制度が果たすべき役割として、医師が安心して参加できる「入口」としての機能を明確に位置付け、地域における既存の学びや実践を尊重しつつ、それらを制度的に支える枠組みを構築する必要があるとしている。
「第2章 厚生労働科学研究『かかりつけ医機能報告のための医師の研修項目の詳細な整理等を行う研究』の活用」では、今後、日医生涯教育制度における教材作成に当たっては、厚労科研において整理された三つのテーマ別作業班の内容を、共通の参照情報(リファレンス)として位置付けることが重要であるとして、主なポイントを示している。
「第3章 日医生涯教育制度との接続を推進」では、かかりつけ医機能を「すべての医師が共有すべき基本的資質」として再定義することが地域医療の質と持続可能性を支える戦略的基盤となると指摘。その実現に向け、解決すべき現行の日医生涯教育制度の課題を示している。
「第4章 教材整備の基本方針と質保証―専門性にかかわらず有用な実践教材の構築―」では、各医師が現場でのニーズに合わせて実際に知りたいことに対応できる設計とするため、「マイクロラーニング形式の標準化」「既存教材の活用と制作コストの最適化」を提案している。
「第5章 これからの生涯教育を支えるデジタル基盤と運用」では、生成AIを医師の判断及び説明を補助するツールとして適切に位置付ける一方、個人情報保護、情報源の妥当性評価、最終判断の主体は医師であるという基本原則を明確化する必要性を強調。併せて、中長期的な検討課題として、「医療DX関連項目の標準化」「学習履歴に基づく個別最適化学習の可能性」などについても言及している。
「第6章 提言」では、日医生涯教育制度を次世代型の生涯教育体系へと発展させるため、「学びの柔軟性」「体系の可視化と質保証」「協働と実践性」「運営の持続可能性」「医療DX・生成AI時代への対応」という五つの観点から具体的な提言を行っている。



