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| 今号では日医ニュース8月20日号に引き続き、勤務医委員会(委員長:一宮仁前福岡県医師会副会長)が取りまとめた答申の概要を紹介する(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載)。 |
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(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」参照)
3.病院管理者・大学幹部の理解向上に向けた取り組み
(1)病院管理者・大学幹部との交流会、病院訪問等
勤務医の医師会活動参画を促進するには、病院管理者や大学幹部の理解と協力が不可欠であるが、各地域医師会では、病院管理者や大学幹部との意見交換会等を通じて医師会活動の成果や地域医療への貢献を共有し、信頼関係を構築してきた好事例が報告されている。
なかでも、大分県医師会では、大学(大分大学医学部・附属病院)と行政(大分県福祉保健部)との三位一体の連携を基盤とし、大学幹部が大学医師会の活動に関与することで、医師会活動への理解が組織内に浸透し、勤務医が参画しやすい環境づくりにつながっている。
今後は、病院管理者・大学幹部との継続的な連携や大学医師会との協力体制を強化し、勤務医が安心して医師会活動に参画できる環境を整備することが重要である。
(2)大学医師会との連携
過去の勤務医委員会答申では、大学医師会と都道府県医師会・日本医師会との連携の重要性が繰り返し提言されている。
平成18年8月には東京医科歯科大学(現・東京科学大学)医師会長であった水澤英洋氏を中心に全国大学医師会連絡協議会が設立されたが、新型コロナウイルス感染症の影響で休会状態となっていた。そこで、昨年より事務局を東京医科大学医師会へ移し、本年からの活動再開に向けた準備が進められている。
日本医師会の実施した「令和7年度勤務医会員数・勤務医部会設立状況等調査」によれば、全国82医科大学・医学部のうち、69大学に大学医師会が設置され、その数は同協議会発足当時より増加している。
同協議会では引き続き新規会員を募集するとともに、医師会の無い大学からのオブザーバー参加も継続する予定だが、大学医師会を今後更に発展させるには、①次世代医師が指導医と共に同協議会へ参加し、医師会や自身の将来を考える機会を設ける②大学病院勤務医や次世代医師の意見を集約し、日本医師会の政策へ反映できる場を整備する―ことが重要である。
4.勤務医・若手医師の役員・委員登用に向けた取り組み
(1)各医師会における勤務医登用の必要性の認識
多くの都道府県医師会や日本医師会の会員数に占める勤務医割合は過半数を超える一方で、日本医師会・都道府県医師会の代議員に占める勤務医割合は16%前後にとどまる他、役員に占める勤務医割合が40%を超える都道府県医師会はわずかである。
この状況では、医師会運営に勤務医の意見が十分に反映されているのかどうかが外部から見えづらい。その結果、勤務医の声が届きにくいとの認識が生じやすく、勤務医が医師会活動参画にメリットを見出しにくい状況を招き、結果として医師会が「開業医中心の団体」と誤解され続ける一因となっている。
今こそ、各医師会で勤務医の役員・委員登用を積極的に進め、開業医と勤務医の分断を防ぎつつ、組織の活性化や若手・中堅医師が参画意義を実感できる組織運営が求められる。日本医師会でも、全国の勤務医の意見をより確実に執行部へ届けるような仕組みの構築や、既存の勤務医枠にとどまらない勤務医登用を進める必要があると考える。
(2)人材の確保と育成
勤務医、特に若手・中堅医師の登用を実効性あるものとするには、医師会活動に参画する意義を示し、次代のリーダーとして育成する仕組みが必要である。若手医師にとって医師会は依然として「遠い存在」であり、臨床の多忙さや参画メリットの見えにくさが入会・参画を妨げている。
そのため、若手医師専門組織の設置・ネットワーク化、SNSを活用した情報発信、病院管理者・大学医局との連携強化等を通じ、医師会との接点を増やすことが必要である。
また、勤務医が医療政策や組織運営を学び、医師会参画が自身のキャリア形成につながることを可視化することも重要である。専門医制度・学術活動との連携、医政・経営・保険診療に関する教育の早期導入、若手登用の制度化等を進めるとともに、若手医師が医師会活動を自らの声を医療政策へ反映する手段として認識し、主体的に参画できる環境を整備すべきである。
5.勤務医のさらなる医師会活動参画に向けて
各地の医師会では、研修医等を対象に卒後早期から医師会の役割や活動を周知する研修会・説明会の開催やSNSを活用した広報等、勤務医に医師会への関心と正しい認識を促す工夫が進められてきた。
また、勤務医が入会や継続を判断するためには、所属するメリットや意義が理解できることが重要であり、先進的な地域医師会では早期から医師会活動への参加を促し、活動意義を体感させる機会を設けている。
一方、医学部卒後5年目以降の医師会費負担の見直しや三層構造における会費徴収の在り方等の構造的な課題も残されている。
また、日本医師会員の過半数が勤務医である現状を踏まえ、勤務医の意見がどのように集約・反映されているのかをより分かりやすく示す必要がある。
日本医師会が主催する勤務医・若手医師向けの会は、医師会への帰属意識醸成と現場の意見を把握するための有効な機会であり、今後もこうした取り組みを一層活発に展開していくことが望まれる。
日本医師会病院委員会との合同委員会での組織強化に係る意見交換
1.合同委員会の開催経緯
2.合同委員会での意見・要望
第3回勤務医委員会は、初となる日本医師会病院委員会との合同委員会として開催された。
議論の中では、研鑽(けんさん)・教育機会の減少や自己研鑽と労働の線引きの難しさ、若手医師の職業意識の変化等の課題や、女性医師の勤務を支援するための柔軟な勤務体制の整備、管理職層の意識改革の重要性などが示された。
また、新たな地域医療構想に対する勤務医の理解不足や救急医療、医療機関の相互連携の重要性等も指摘された。
勤務医の医師会活動については、医療制度に関する教育の充実や医師会費の補助、活動参加への評価制度等、勤務医が参画しやすい環境整備の必要性が示された。
3.合同委員会での議論を受けて
当日の委員会では、医療機関の経営を担う管理者と医療機関で働く勤務医といった立場の違いから、議論の焦点にも差異が見られた。
一方で、女性医師・若手医師に対する支援体制の必要性や医師会活動を若手医師の関心を喚起し参画を促す仕組みとして位置付けるべきとの意見、さらに勤務医が医療制度や医療経営に関する理解を深めるため、医学生や病院への入職時から教育を行う必要性も示された。
今後は、各委員会でテーマを十分に検討・整理した上で、改めて合同会議に付すことも検討いただきたい。
それぞれの立場で組織強化に向けて変わるべきこと
医師会の更なる組織強化に向けては、組織的課題の解決に加え、医師会活動の意義や役割を医師及び国民に正しく理解してもらうことが必要である。勤務医委員会委員には、本委員会での協議内容や答申の趣旨を共有し、提言の実践に努めることが求められる。
また、病院・大学病院の管理者・幹部は、医師会が開業医の組織ではなく、地域の医療・介護・保健衛生体制が医師会と行政を中核として、開業医と勤務医の役割分担と連携によって支えられていることを正しく理解することに加えて、勤務医自身も医療政策を生涯にわたる「自分事」として捉え、主体的に医療の在り方を考える姿勢が求められる。
さらに、日本医師会には、大学病院を含む病院や勤務医の課題解決に一層取り組むとともに、医師会が関与した政策成果を積極的に社会へ発信することが求められる。医師会が「医療を担う公共的組織、社会貢献組織」として認識され、所属することに誇りをもてる組織となれば、自ずと組織強化は進むものと考える。



