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令和8年(2026年)9月5日(土) / 日医ニュース

適切なオンライン診療の推進を目指して

適切なオンライン診療の推進を目指して

適切なオンライン診療の推進を目指して

 令和8年度「公益的なオンライン診療を推進する協議会」が7月24日、日本医師会館小講堂とWEB会議のハイブリッド形式で開催された。
 本協議会は長島公之常任理事の司会で開会。冒頭あいさつを行った松本吉郎会長は、永井良三自治医科大学長を始めとする関係者並びに関係省庁、関係団体等の協議会メンバーに対し、協議会出席への謝意を述べるとともに、先般の医療法改正により、医療法上に明確に位置付けられたオンライン診療について言及。「利便性や効率性のみを重視した安易な拡大は決してすべきではなく、何よりも安全性を最優先すべきであり、オンライン診療を地域医療に組み込むことで、公益的かつ適切に進めていかなければならない」と強調した。
 さらに、7月3日に公表された「地域医療構想策定ガイドライン」において、外来医療へのアクセスが困難な地域においては、必要な時に適切に医療を提供するための取り組みとして、「対面診療を基本としたオンライン診療の活用」が挙げられていることにも触れ、「これらを踏まえて行われる今回の協議会における情報共有や意見交換等が、今後の総合的な活用の在り方の検討につながっていくことを期待したい」とした。
 続いて、永井学長、橘慶一郎衆議院議員(ビデオメッセージ)、自見はなこ・長谷川英晴両参議院議員(手紙)からのあいさつの後、関係行政等からの報告、地域の事例報告が行われた。

関係行政等からの報告

(1)厚生労働省

 水谷忠由厚労省医政局総務課長(当時)は、オンライン診療実施に当たっての基本理念について、①患者の日常生活の情報も得ることによる医療の質の更なる向上②医療に対するアクセシビリティを確保することでより良い医療を得られる機会の増加③患者が能動的に参画することによる治療の効果の最大化―であるとした上で、患者がオンライン診療を受ける専用の施設として「オンライン診療受診施設」が創設されたこと、及び都道府県への届け出が義務化されたことなどを説明。その他、「無医地区」「準無医地区」に対する補助金として「遠隔医療設備整備事業」「へき地医療拠点病院運営事業」「オンライン診療を活用したへき地医療支援実施医療機関運営支援事業」が設けられていることを説明し、その活用を求めた。

(2)総務省

 廣瀬照隆総務省情報流通行政局郵政行政部郵便局活用課長は、郵便局を活用したオンライン診療について、制度面から見た郵便局の位置付け及び郵便業務の現状を概説。地方における人口減少に伴い、地域の生活インフラの廃止・撤退が進む中で、郵便局は法定義務により残存し、かつ日本全国に満遍なく分布していることが大きなメリットとなっており、そのメリットを生かして、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を実施しているとした。
 その一環として、地域のニーズに合わせてオンライン診療業務にも取り組んでおり、これまでに9自治体で実施(うち5自治体で実装済)されていることを紹介した。

(3)日本郵政グループ

 竹中正博日本郵便株式会社執行役員は、「郵便局におけるオンライン診療等支援事務」について概説。市町村からの事務委託を受け、場所の提供や利用者のサポートを通して実施体制を整備するとともに、安心・安全な運用体制を確保するため、全ての事案で「手順書」を作成していること等を説明した。

(4)内閣官房

 藤井信英地域未来戦略本部事務局参事官(当時)は、「交付金を活用した医療MaaS支援」と題し、地域未来交付金における「デジタル実装型」の概要を説明。地域住民等の利用促進を目指しているものの、①医師が医療MaaSの対象患者を慎重に選定しているため利用者が伸び悩んでいる②医療MaaS車両に乗車する看護師の人件費に対する地方公共団体からの補助が必要―等の課題があるとし、「今後は医療MaaS自体の周知・拡大も必要なのではないか」との考えを示した。

(5)自治医科大学

 原田昌範地域医療学センター講師/山口県総合医療センターへき地医療支援センター長は、「離島へき地の郵便局等をどう活用するか」と題し、山口県において厚労科研・総務省実証事業を担当した経験等を基に、これからのへき地医療は、①医療DXと組み合わせる②自治体・医師会等と連携する③医師ではなく、ワンチームで「医療」を確保する―ことが大事になるとした。

地域の事例報告

(1)仙台市医師会

 安藤健二郎宮城県医師会長(前仙台市医師会長)は、オンライン診療の推進には、D to P with Nの拡充が重要との認識を示すとともに、仙台市等と連携の上、仙台市医師会が導入した医療MaaSを活用したオンライン診療車のシステムや、大型モニターによる患者・医師間の双方向通信システムの他、遠隔での聴診を可能とする自作の聴診システムなどを紹介した。

(2)沖縄県医師会

 仲村尚司沖縄県医師会理事は、初期救急医療体制が整備されていないという沖縄県特有の状況に鑑み、県医師会が主体となり、オンラインで小児の夜間救急診療を整備した結果、その利用が広まっていることなどを報告。また、SNSのチャットボットを用いた、症状に応じた受診アドバイスサービスを展開していることなども紹介した。
 続いて、好事例の横展開に向けた意見交換が行われた後、長島常任理事による総括が行われた。
 同常任理事は、今回の協議会について「昨年度と比べ、制度・実態の両面で大きくステップアップしたと実感することができた」と述べるとともに、これだけの事例報告等が聞ける機会は類を見ないとして、本協議会の意義を強調。引き続き関係団体と連携を深め、公益的かつ適切なオンライン診療の推進につなげていきたいとの意向を示した。

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