松本会長
松本会長
がんセミナー並びに映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」の特別試写会が8月23日、日本医師会館大講堂で開催された。
今回のイベントはがんに対する知識を深めてもらうことで、がん検診の受診者を一人でも増やすことを目的として開催したもので、約3000名の応募者の中から抽選で選ばれた約300名が参加した。
冒頭あいさつした松本吉郎会長は今回のテーマであるがんについて、予防接種や検診を適宜適切な時期に受けることで防ぐことができる可能性の高い病気であることを説明するとともに、「少しでも体調に異変を感じた時に相談できるよう、かかりつけ医をもってほしい」と呼び掛けた。
引き続き、黒瀬巌常任理事による「女性特有のがんの予防 一次予防から三次予防まで」をテーマとしたセミナーが行われた。
同常任理事は、日本医師会初代会長でもある北里柴三郎が「国の基本は、国民の健康にあり、医学の基本は、人々が健康を保てるように生命を病気から守り、病気を未然に防ぐことにある」という言葉を残していることを紹介。高市早苗内閣総理大臣も所信表明で「攻めの予防医療」を掲げているように、今後は予防医療が重要になるとした。
その上で、今回のテーマである「女性のがん」については、がん罹患(りかん)数並びに死亡数などの現状を説明するとともに、「平均寿命(87・1歳)と健康寿命(75・45歳)の差を縮めていくことが大事になる」と述べた。
さらに、女性特有のがんとして、(1)乳がん、(2)子宮頸がん、(3)子宮体がん、(4)卵巣がん、(5)外陰がん―等に触れ、これらのがんには好発年齢がある他、ライフイベントや生活スタイルが発症に大きく関わるものであることを強調。また、その予防は「一次」「二次」「三次」の三つに分けられ、「一次予防」としてはHPVワクチン接種と、生活習慣の改善(禁煙・バランスの良い食生活・適度な運動)などが挙げられるとした。
「二次予防」については「その柱は定期検診による早期発見及び早期治療」であるとし、特に乳がん並びに子宮頸がん検診の重要性を強調。また、「検診結果に応じて精密検査まで受けることが本当の二次予防になる」と述べるとともに、適切な医療機関を選ぶ上では、地元の医師会に相談することも有効な手段になるとした。
「三次予防」の目的に関しては「治療後の人生を守ることにある」とし、その柱は、(1)再発・重症化予防、(2)後遺症対策、(3)妊孕性を守ること―等であるとし、ライフステージに合わせ、一次・二次・三次予防を続ける意義を強調。その上で、がん予防の指針となる「今日から始める五つの行動」を紹介し、その実践を求めた。
セミナー後には参加者から事前に寄せられていた「がんの遺伝性」など、三つの質問に対して、回答を行った。
その後は、映画を上映。21歳という若さでステージⅣの大腸がんを宣告された遠藤和(のどか)さんが、夫・将一さんを始め家族に支えられながら力強く生き抜いた姿を描いた作品でもあることから、多くの参加者が感動し、涙する場面も見られた。



