ウコンについて

一言に「ウコン」と言っても種類があり(学名が異なり)、含有成分が全く違うため、それぞれ別物と考えた方がよいでしょう。日本では一般に、アキウコン(Curcuma longa Linne)のことを言い、カレーなどの香辛料などにも用いられます。他にも、ハルウコン、ムラサキウコン(ガジュツ)、ジャワウコンなど同じショウガ科のものなどがありますが、アキウコンとは学名も成分的も異なります。
安全性について
- ・通常、食事中に含まれる量の摂取であれば、おそらく安全と思われますが、過剰摂取や長期摂取では消化管障害を起こすことがあります。
- ・アキウコンは胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉鎖症の人には禁忌とされます。
- ・胆石の人は医師に相談してください。
- ・歴史的な食品として摂取する程度の量から、今日のように健康食品として濃度の高いものを、多量に長期連用する場合の量では、健康被害の出現の度合いが違ってくる可能性があります。また、健康被害の原因は学名の異なるものを摂取した場合やサプリメント製造元の品質管理の悪さによるとの指摘もあります。
(参考文献等:「健康食品」の安全性・有効性情報(独立行政法人 国立健康・栄養研究所))
専門家のコメント
- ・C型慢性肝炎の患者は鉄過剰を起こしやすいことから鉄制限食療法が実施されますが、アキウコンの製品には鉄を多量に含有するものがあり、注意が必要であるという報告があります。
- ・C型慢性肝炎やB型慢性肝炎、2型糖尿病などの原疾患のある成人11名(男性8名、女性3名、平均年齢54歳)において、ウコンとの関連が疑われる肝障害が報告されています。ウコンの摂取期間は3日~5年、11名のうち追跡可能であった10名は摂取中止により回復、回復または軽快までに要した期間は1日~37週であったという報告があります。
- ・歴史的に使用経験の長いアキウコンとは別に、ハルウコンなど他のショウガ科の植物をサプリメントとして摂取することにより、健康被害や相互作用が増加している可能性もあります。
- ・ウコンは血液凝固を抑制することがありますから、血液凝固抑制薬(アスピリン、ワルファリン、ヘパリン、ジクロフェナク、イブプロフェンなど)を服用しているときにウコンを摂取すると、紫斑や出血が生じる可能性が高くなると考えられます。
ウコンを摂取した症例
日本医師会の「健康食品安全情報システム」事業及び「食品安全に関する情報システム」モデル事業(平成18年度~22年度)には以下のウコンを摂取した症例が報告されています。
- 性別・年齢
- 主な成分
- 併用薬
- 症状・異常所見・
診断名等 - 症状等と健康食品との関連性のエビデンス注1
- 治療の経過・転帰
- 判定結果注2
-
性別・年齢
男性・50歳
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主な成分
クルクミン 、秋ウコン末 、春ウコン末
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併用薬
ガスモチン、マグテクト、オメプラゾール、ウルグート
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症状・異常所見・診断名等
胃部不快、黄疸(T-Bil 24.72 D-Bil 17.91)、劇症肝炎(PT 34.2%)、AST 1906、ALT 2518
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症状等と健康食品との関連性のエビデンス注1
医学的検証済み DLST注3高値陽性
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治療の経過・転帰
未回復(肝移植の可能性もあり大学病院へ転院)
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判定結果注2
5
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性別・年齢
女性・69歳
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主な成分
ヒュウガドウキ、ウコン
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併用薬
-
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症状・異常所見・診断名等
心窩部不快感と嘔気
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症状等と健康食品との関連性のエビデンス注1
医学的に推定
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治療の経過・転帰
軽快
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判定結果注2
4
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性別・年齢
男性・64歳
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主な成分
ウコン
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併用薬
ノルバスク、リスモダンR
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症状・異常所見・診断名等
受信時黄疸認め、著明な肝機能異常を認めた。「薬剤性肝障害(疑)」
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症状等と健康食品との関連性のエビデンス注1
医学的に推定
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治療の経過・転帰
回復
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判定結果注2
4
- 注1:情報提供をした会員の判断による。
- 注2:判定結果は真正性、緊急性、重要性に基づき、レベル5(警告・禁止)、レベル4(注意喚起)、レベル3(要監視)、レベル2(要観察)、レベル1(保存)に判定される。
- 注3:薬剤によるリンパ球刺激試験〔drug lymphocyte stimulation test(DLST)〕。薬物性肝障害、薬物性アレルギーの原因薬剤を確認するのに有用な検査である(臨床検査データブック2009-2010(医学書院))。
歴史的な食品として摂取する程度の量から、今日のように健康食品として濃度の高いものを、多量に長期連用する場合の量では、副作用の出現が違ってくる可能性があります。
また、副作用の原因は学名の異なるものを摂取した場合やサプリメント製造元の品質管理の悪さによるとの指摘もあります。
【参考】「 日本医師会監修:いわゆる健康食品・サプリメントによる健康被害症例集(同文書院)」に掲載された症例
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性別・年齢 女性・58歳 -
主訴 全身倦怠感 -
既往歴 輸血歴を含め特記事項なし -
現病歴 2005年7月初旬から肉体疲労回復目的にウコンの内服を開始した。
約1ヵ月後、全身倦怠感、発熱、頭痛を訴え受診。
血液検査で肝機能障害を指摘された。 -
検査所見 AST:400IU/L、ALT:479IU/L、ALP:698IU/L、LDH:321IU/L、γGTP:52IU/L、ウコン粉末に対するDLST:1915%
肝生検所見あり -
診断 ウコンによる肝障害 -
対応と治療 ウコンを含めた健康食品の内服を中止。
入院後、肝障害は軽快に向かったが、2週間後再び増悪したためプレドニゾロン1日30mgを投与した。
以後経過良好であり、半年後の肝生検では炎症性変化、繊維性変化はともに軽快していた。
- 注:症例の詳細は「日本医師会監修:いわゆる健康食品・サプリメントによる健康被害症例集(同文書院)」をご参照ください。
また、日本医師会ホームページ・メンバーズルームの「地域医療・診療支援」内の「健康食品のすべて ナチュラルメディシン・データベース」からも閲覧することができます。
日本医師会員のみなさまへ
詳しくは、「健康食品のすべてナチュラルメディシン・データベース」をご覧ください。
日本医師会ホームページ・メンバーズルーム(会員向けHP)の「地域医療・診療支援」より、アクセス。
実際の事例も掲載しています。
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日本医師会(地域医療第1課 03-3942-613703-3942-6137)