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令和2年(2020年)11月20日(金) / 日医ニュース

女性上位職を全ての診療科に医師の働き方改革、女性医師就労支援への大学の取り組み

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特任准教授就任式特任准教授就任式

特任准教授就任式特任准教授就任式

女性活躍の促進:順天堂大学における取り組み

 本学では、平成23年度文部科学省「女性研究者研究活動支援事業」に採択されて以降、今日まで女性医師・研究者支援に関する多様な取り組みを実施しており、「女性研究者研究活動支援シンポジウム」と銘打ったシンポジウムも今年で10回目を迎える。
 女性医師・研究者支援の取り組みを始めた2011年当時は、仕事と家庭の両立支援を行うことで、出産等のライフイベントにより、女性教員が「仕事をやめないこと」を第一の目標として支援を行っていた。
 その成果が徐々に現れ始めた頃、東京医科歯科大学と株式会社ニッピバイオマトリックス研究所との産学連携による「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(連携型)」の採択を受け、キャリアアップ、リーダー育成に軸足を移すこととなった。
 また、時を同じくして、「女性活躍推進法」が施行され、社会全体においても「女性活躍の促進」が重要課題となってきた。
 このような状況の中、これまでの「仕事を辞めないこと」を目標としたセーフティーネット構築を主な目的とした取り組みに加え、女性教員の「上位職育成・登用」という新たな目標を掲げ、取り組みを展開しているところである(取り組みの経緯参照)

大学における医師の働き方改革と女性就労支援

 ここ数年、「女性活躍の促進」と「働き方改革」が社会の中で大きな関心事となり、2024年度からは医師を対象とした時間外労働の上限規制が導入されるなど、課題を目前に突きつけられる状況となってきた。
 日本医師会第15回男女共同参画フォーラムにおいても、「男女共同参画のこれまでとこれから―さらなるステージへ」をテーマに多くの議論がなされたことは記憶に新しい。
 医師教育の第一歩となる現場である大学医学部も、大きな変革期に直面しているという認識である。学生への男女共同参画の早期教育、初期研修医の勤務体制の整備など、少しでも早期に介入することが重要と考えられる。しかし、後期研修以降は、これら喫緊の課題に対して画一的な方策だけでは対応が難しく、診療科特有の課題について、真摯に取り組み、きめ細かな対応を行っていく必要があることが分かってきた。

女性上位職の重要性と新たな取り組み

 このような社会情勢を受け、本学では各診療科の医局長や上位職に女性が配置されているかを見渡し、本学で上位職としての実力や将来性がある女性教員を確認し、その後押しをする制度について大学全体で検討を重ねた。結果として、これまで女性上位職の配置が不十分であった外科系を中心に10名が任命された(写真は就任式での集合写真)
 この10名の誕生により、本学ではほぼ全診療科に女性上位職が配置できたことになり、診療科固有の課題を議論し、有効な取り組みを他診療科と共有する仕組みが整ったことになった。
 今後、この10名及び、既に上位職にある女性医師の連携により、情報共有や意見交換の場を設けることで、診療科特有の課題を共に解決し、病院全体でより良い働き方を共有できると考えている。
 その他、特任准教授各人のキャリアアップ及び所属診療科の働き方改革を支援するため、所属する主任教授との対談を開始するなど、診療科全体で課題の理解を深めているところである(詳細は、男女共同参画推進室対談ホームページ参照)。

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