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令和4年(2022年)9月20日(火) / 日医ニュース / 解説コーナー

「オンライン資格確認の導入の原則義務化」と「オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る診療報酬上の評価の見直し」について

オンライン資格確認の導入の原則義務化

 「経済財政運営と改革の基本方針 2022」(令和4年6月7日閣議決定)により、保険医療機関・保険薬局においては、2023年(令和5年)4月からオンライン資格確認を導入することが原則として義務付けられたことを踏まえ、療養担当規則(保険医療機関及び保険医療養担当規則)及び掲示事項等告示(療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等)等が改正されました。
 その概要は以下のとおりです。

1.保険医療機関及び保険薬局は、患者の受給資格を確認する際、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認による確認を求めた場合は、オンライン資格確認によって受給資格の確認を行わなければならないこととする(保険医療機関及び保険医療養担当規則第3条第1項及び第2項関係等)。
2.現在紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関・保険薬局については、オンライン資格確認導入の原則義務付けの例外とする(同令第3条第3項関係等)。
3.保険医療機関及び保険薬局(2.の保険医療機関・保険薬局を除く)は、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認による確認を求めた場合に対応できるよう、あらかじめ必要な体制を整備しなければならないこととする(同令第3条第4項関係等)。
4.保険医療機関及び保険薬局はオンライン資格確認に係る体制に関する事項を院内に掲示しなければならないこととする。

医療情報化支援基金による補助の見直し

 オンライン資格確認の導入を原則として義務化することに伴い、閣議決定を行った令和4年6月7日から令和4年12月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込むとともに、令和5年2月末までにシステム事業者との契約を結んだ医療機関・薬局については(※)、補助内容の見直しが行われました(下記表参照)
 なお、従前どおり、令和5年3月末までに事業を完了し、同年6月末までに交付申請をすることが必要です。
 (※上記申込期限は最も遅いケースであり、医療機関等はより早期の申し込みや契約が求められています)

〔概要〕
○病院:過半数以上の病院が事業額の上限を超過していることを踏まえ、現行の補助上限額を見直し(補助率は1/2を維持)。
○診療所・薬局(大型チェーン薬局以外):経営規模を踏まえ、実費補助とする。
○大型チェーン薬局:補助基準内にほぼ収まっていることから、現状を維持。

オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る診療報酬上の評価の見直し

 2023年(令和5年)4月より、保険医療機関・保険薬局に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則として義務付けられること等を踏まえ、令和4年度診療報酬改定で新設されたオンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価(電子的保健医療情報活用加算)は令和4年10月以降、廃止されます。
 その上で、医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価が新設され、令和4年10月から適用されます。

1.オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る現行の評価の廃止

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2.初診時における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設(令和4年10月~)

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[施設基準]
 次の事項を当該医療機関・薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること(対象はオンライン請求を行っている医療機関・薬局)。
 ①オンライン資格確認を行う体制を有していること(厚生労働省ポータルサイトに運用開始日の登録を行うこと)。
 ②患者に対して、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用(※)して診療等を行うこと。

[算定要件]
 上記の体制を有していることについて、掲示するとともに、必要に応じて患者に対して説明すること(留意事項通知)。
 ※情報の取得・活用の具体的な方法として、上記に併せて、初診時の標準的な問診票の項目等が定められています。新設された加算の詳細や疑義解釈等とともに、日本医師会ホームページのメンバーズルームに掲載いたしますので、ご確認願います。

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※その他の費用:(1)マイナンバーカードの読取・資格確認等のソフトウェア・機器の導入、(2)ネットワーク環境の整備、(3)レセプトコンピューター、電子カルテシステム等の既存システムの改修等。
※消費税分(10%)も補助対象であり、上記の上限額は、消費税分を含む費用額。
※令和3年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関・薬局については上限額まで実費を補助する特例を実施。
※①の期間にカードリーダーを申し込んだ施設において、オンライン資格確認の運用が進んでいない状況に鑑み、迅速な運用を促進する観点から、令和4年6月7日から令和5年1月末までに運用開始した施設については、別途の補助を実施する(補助金交付済の施設を除く。別途の補助の内容は、①と②の差額とする)。

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