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令和7年(2025年)7月20日(日) / 日医ニュース

ヘルスリテラシーと医師会広報

 インターネットで瞬時に世界中からさまざまな情報を入手できる便利な時代になった。その一方で、あふれる情報の中からいかに正しい情報を入手し、取捨選択して生活・仕事などに適切に利活用することができるかが問われている。
 昨今、「リテラシーを高める」などの言葉が盛んに使われる。リテラシーとは、もともと「読み書きの能力」を指していたようであるが、現在では「さまざまな情報を正しく理解し、整理し、適切に活用する能力」として使われることが多い。メディアリテラシー、金融リテラシー、ICTリテラシー、ネットリテラシー、ヘルスリテラシーなど、使用される分野は多岐にわたる。
 ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力」とされる。健康志向の高まりから、自ら健康・病気に関する情報をインターネットなどから入手し、受診の要否を判断している人も多いのではないだろうか。
 ヘルスリテラシーを高めることで病気の予防や、健康寿命の延伸、更には適切な受診行動につながるものと考えられる。
 一般に専門家による情報は、あらゆる可能性に配慮したやや控えめなものが多く、エビデンスに基づかない誤った(時に健康を害する)情報は、人の心に響くキャッチーな表現が多いように感じる。
 ヘルスリテラシーを高めることは重要であるが容易ではない。このような時代にこそ医師会広報の役割は大きく、更なる対外広報の充実・活性化が重要と考える。

(榮)

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