令和8年(2026年)2月5日(木) / 日医ニュース
重点医師偏在対策支援区域で承継・開業する診療所への税制措置の創設、認定医療法人制度に係る税制措置の延長などが決定
令和8年度税制改正大綱
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宮川政昭常任理事は1月13日に開催された第30回常任理事会で、昨年12月19日に与党が決定し、12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正大綱」の中で、日本医師会の要望が実現した項目等について報告を行った。
日本医師会は昨年8月に「令和8年度医療に関する税制要望」を取りまとめた上で(内容については別記事参照)、関係各方面に対し、要望実現に向けた働き掛けを精力的に行ってきた。
その結果の概要は、次のとおりである。
(1)制度の存続として、「社会保険診療報酬に係る事業税非課税措置」「医療法人の社会保険診療報酬以外の部分に係る事業税軽減措置」及び「社会保険診療報酬の所得計算の特例措置」の存続が認められることになった。
(2)期限の到来する制度の延長として、認定医療法人制度に係る税制措置の適用期限が令和11年12月末まで3年間延長となった他、地域医療構想実現に向けた税制措置(認定を受けた再編計画に基づき複数の病院が再編した場合の不動産の保存登記・移転登記の登録免許税を軽減する他、不動産取得税を2分の1に軽減する措置)が令和10年3月末まで2年間延長された。
また、インボイス制度に関連し、医師会が自治体の健診事業等を受託し、会員に再委託する場合に、免税事業者の会員からはインボイスを受け取ることができず、医師会に消費税負担が生じる場合があることから、免税事業者からの仕入れについて、仕入税額の一部を控除できる経過措置の延長を求めてきたが、当該経過措置が、見直しの上で2年延長されることとなった。
(3)制度の創設・拡充等として、重点医師偏在対策支援区域で承継または開業する診療所への税制上の支援を目的に、不動産の保存登記・移転登記の登録免許税を軽減する他、不動産取得税の2分の1を軽減する措置が創設されることとなった。
また、社会医療法人や認定医療法人・特定医療法人・開放型病院等に係る税制措置について、自費患者に対し請求する金額が、社会保険診療報酬と同一の基準により計算されることとの要件が課されているが、訪日外国人に対する自費診療については、コストに見合った請求が可能となるよう、請求金額の上限を社会保険診療の3倍までの範囲で地域における標準的な料金を超えないものとする見直しが行われることになった。
(4)関連項目として「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」いわゆる「バリアフリー法」に関連し、劇場などに適用されていた固定資産税軽減措置の対象が、政府の補助を受けて同法に基づく基準に適合するバリアフリー改修工事を行った「一定の特別特定建築物」とされることになり、病院や診療所も対象になり得ることになった。
また、個人版事業承継税制については、個人事業承継計画の提出期限が、令和10年9月末まで、2年6カ月延長された。
更に、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例については、3年延長され、対象となる事業者の従業員数の要件を現行の500人以下から400人以下に引き下げられるとともに、取得価額の要件については、現行の30万円未満から40万円未満に引き上げられる一方で、中小企業経営強化税制や中小企業防災・減災投資促進税制については、対象資産の取得価額要件が30万円以上から40万円以上に引き上げられることとなった。
本件に関する詳細については日医発第1649号「令和8年度税制改正について」をご参照願いたい。



