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令和8年(2026年)5月5日(火) / 日医ニュース

中東情勢による医療機関等への影響について上野厚労大臣と意見交換

中東情勢による医療機関等への影響について上野厚労大臣と意見交換

中東情勢による医療機関等への影響について上野厚労大臣と意見交換

 松本吉郎会長は4月10日、厚生労働省で開かれた上野賢一郎厚労大臣との中東情勢に伴う医療機器等の需給に関する意見交換会に、相澤孝夫日本病院会長、神野正博全日本病院協会長、伊藤伸一日本医療法人協会長、山崎學日本精神科病院協会長、高橋英登日本歯科医師会長、岩月進日本薬剤師会長らと共に出席した。
 本意見交換会は、現下の中東情勢の悪化に伴い、医薬品や医療機器、医療物資等の安定供給に支障が生じる懸念が高まる中、政府が設置した対策本部における取り組みの一環として、特に医療機関等への影響を把握し、対応策に反映させるとともに、厚労大臣と医療関係団体との間で現場の状況や課題を共有するために行われたものである。

260505b2.jpg 冒頭のあいさつで上野厚労大臣は(写真2枚目)、「医療機器等の安定確保は国民の命に直結する最重要分野であり、関係省庁と連携して供給体制の維持に全力で取り組んでいる」と述べた上で、現時点で深刻な供給停滞は生じていないが、医療機関等においては必要量に見合った冷静な発注をお願いしたいとした。
 また、供給の偏り解消には医療現場の状況把握が重要であるとして、情報収集のための窓口設置やEMISによる報告体制を整備したことを説明し、「本日の意見交換を通じて今後の更なる取り組みにつなげたい」と述べた。
 引き続き、森光敬子厚労省医政局長が同省の取り組みとして、供給の偏りや流通の目詰まりを迅速に解消するための、製造販売業者向けの窓口を設置し、川上からの情報を収集するとともに、実際の使用現場である医療機関向けにも窓口を設け、いわゆる川下からの情報把握に努めていること、また、複数の医療機関に協力を依頼し、医療物資等の需給状況を日次(ひつぎ)で確認する定点観測を実施していることを説明した。

 収集情報の精査の結果としては、4月8日時点で相談件数は543件(そのうち、医療機関からは351件)に上り、安定供給に影響がある16件については対応を進め、5件が解決、1件は解決の道筋が立ち、10件は検討中であると説明した。
 続いて行われた意見表明で、松本会長は、中東情勢の緊迫化を受け、厚労省が早期に対策本部を設置し、課題分析と対応の検討に着手したことに謝意を表した上で、医療資材の供給不安は診療の継続や患者の安全に直結する重大な問題であると指摘。万全の対応に加えて、収集した現場情報を速やかに供給確保策につなげることが必要だとして、「供給の優先順位付け」「医療機関間での融通体制の整備」「必要に応じた規制の柔軟な運用」の他、供給状況や今後の見通しについての分かりやすい情報提供と、関係省庁の連携強化による、サプライチェーン全体を通じた安定供給体制の確保を要請した。
 また、医療資材不足や価格高騰等により、流通の滞りや先行きの不透明感による買い占めが発生し、地域医療提供体制に支障が生じないかと懸念している旨も伝えるとともに、日本医師会としても現場の状況把握に協力する姿勢を示した。
 引き続き意見を述べた各団体の会長からも「不安や混乱を招かないための迅速かつ分かりやすい情報発信」「地域や医療機関間で偏りが生じない安定供給体制の構築」を求める意見や要望が相次いで出された。
 これらの意見を踏まえて上野厚労大臣は、「医療関係者からの意見や現場の実態を重く受け止め、必要な対応を進めていきたい」とした他、国内生産分は医療を最優先に確保し、海外生産分の中長期的な供給懸念には経済産業省と連携して対応する方針を示し、理解を求めた。

安定的な医療提供体制の確保に努める―松本会長

 4月15日の記者会見で当日の模様を説明した松本会長は、日本医師会には救急の現場から滅菌手袋が不足していることが、日本医学会・日本医学会連合からは病理診断の場、特に日本病理学会から、必須な物資が不足しているといった切実な声が届いていることを明らかにし、引き続き国と緊密に連携し、医療現場が逼迫(ひっぱく)することのないよう、安定的な医療提供体制の確保に全力で協力していく考えを示した。
 また、国民に対しては、SNS等の情報に過度に左右されることなく、公的機関からの発信を確認するとともに、必要な医療はこれまでどおり安心して受けてもらうように呼び掛けた。

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