

令和8年熊本地震第2回災害対策本部会議を8月4日、WEB会議で開催し、被災地の現状やJMATの派遣体制などの報告が行われた。
冒頭あいさつをした松本吉郎会長は、発災当初からの日本医師会の動きを説明した上で、都道府県医師会は、災害時においても、あらゆる医療関係団体の中で特別な立場にあると強調。被災地の都道府県医師会は「JMAT」「災害対策基本法上の指定地方公共機関」「災害医療コーディネーター」という三つの立場でリーダーシップを発揮し、日本医師会が派遣する統括JMATは、被災地の医師会を支えることになると説明した。
また、現在、多数のJMATが必要なフェーズになっており、支援が必要な地域に焦点を当てて、長い期間でしっかりとラインを組んで、チームを送り続けるフェーズに移行しつつあるとして、今後のチーム編成の在り方に関する意見を求めるとともに、「医療の復旧がなければ、地域の復旧もありえない。医師会活動の最終目標は『被災地に医療を取り戻す』こと」として、被災地の医療提供体制の復旧を支えていく考えを改めて示した。
続いて、水足秀一郎熊本県医師会長が、迅速な対応や支援に対する感謝の意を示した上で、現在は、保健医療福祉調整本部が立ち上がり、県庁の中にも医師会ブースが設置されたことを報告。また、現時点の被災地はDMATからJMATへの活動が切り替わるフェーズに差し掛かっているとして、引き続きの支援を求めた。
議事では、まず、熊本県医師会から、7月28日の地震の発災から8月3日までの熊本県医師会災害対策本部の活動を詳説。7月31日には視察に訪れた藤原慶正常任理事と共に津島淳内閣府副大臣と面会し、病院船の活用やJMATへの支援等を要望するとともに、8月3日には高市早苗内閣総理大臣とも面談したことを報告した。
熊本県JMAT調整本部で統括を行う鍛良之北部地区医師会理事(沖縄県)は、病院支援の状況について、患者搬送支援はおおむね終了し、戻り搬送が始まっているとした一方で、診療所の被災状況に関しては、この1週間の間で、宇城・八代地区の約150の診療所のうちフル稼働が確認できているのは8カ所程度に過ぎないと指摘。フル稼働できている診療所においても、医薬品が不足し、約9割が備蓄で対応している他、水や検査キットも不足してきている問題が挙げられ、いつまで診療が続けられるか分からない状況にあるとして、「いつまで支援無しで診療が継続できるのか、どのような支援が必要なのか、細かな医療ニーズの吸い上げを進めていかなければならない」と主張した。
また、避難所や避難所避難者数の推移は徐々に減少傾向にあるが、帰宅困難者は一定数残ることが予想されるとして、今後は巡回診療の調整が必要になると強調。さらにJMATの活動状況として、8月4日は9チームが活動中であることを報告した。
その上で、鍛理事は、クローズ・一部制限している診療所を支援し、地域医療を取り戻し、継続的に診療できる状態までもっていくことを最終目標として、引き続き支援していくとした。
JMAT調整宇城地域本部の統括JMATを担当する福岡県医師会からは、多くの医療機関が診療を再開しているが、医薬品や衛生資材の不足が大きな問題になっていることを指摘し、約9割が備蓄対応していることに加えて、そのうちの約4~5割は水不足に陥っている状況を報告。また、医療従事者たちが高齢者施設まで対応しきれない状態にあるため、各施設にいる人たちの状態が心配な状況にもある他、避難所においても、猛暑や劣悪な環境による熱中症や慢性疾患のリスクが高まっていると懸念を示した。
九州医師会連合会の幹事県を担当する鹿児島医師会からは、8月1日の九州八代地域は鹿児島県医師会を中心に大分県と宮崎県、沖縄県が、それぞれ対応することを決定したことを報告。統括チームが継続して支援を行い、医療支援チームについては各県1ラインで継続的な派遣を調整しているとし、引き続き、九州医師会連合会で総力を挙げて支援に取り組んでいく意向を示した。
7月30日より現地入りしている藤原常任理事は、熊本県JMATの体制について、1.熊本県庁に熊本県JMAT調整本部を立ち上げ、宇城保健所にJMAT調整宇城地域本部、熊本労災病院(8月4日~八代市役所)JMAT調整八代地域本部をそれぞれ設置した2.九州医師会連合会の他、都道府県医師会にも順次、派遣を登録してもらっている―ことを詳説。
また、特に熊本市内においては宿泊施設の確保が困難な状況にある他、熊本市内から八代市へ行く際には渋滞に巻き込まれる可能性が高いことを踏まえて、派遣時においては、八代市のホテルの利用を検討するよう提案した。
渡辺弘司常任理事は、日本医師会として、熊本県医師会に対して災害対策積立資金より見舞金1,000万円を拠出するとともに、全国の医師会並びに会員の先生方に支援金を募集する方針であることを説明。支援金については、専用口座を8月5日に開設する予定であり、都道府県医師会宛てに案内を送付するとして協力を呼び掛けた他、台湾医師会より支援金1,000万円を寄付いただいたことを報告した。
その他、日本医師会からは被災地支援の際には、体調や熱中症対策を十分に整えた上で現地入りするよう注意喚起をするとともに、JMAT派遣の手上げ登録の連絡やDMATからJMATへフェーズが変わっていく中での引き継ぎなどに対する協力を求めた。
問い合わせ先
日本医師会地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)



