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令和8年(2026年)8月20日(木) / 日医ニュース

「勤務医の医師会活動へのさらなる参画について」

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「勤務医の医師会活動へのさらなる参画について」

「勤務医の医師会活動へのさらなる参画について」

(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」参照)

 勤務医委員会(委員長:一宮仁前福岡県医師会副会長)は、諮問「勤務医の医師会活動へのさらなる参画について」に対する答申を取りまとめ、松本吉郎会長へ提出した(写真下)。その概要を2回に分けて紹介する。

勤務医の医師会活動参画に向けた取り組み

1.医師会活動の認知度向上に向けた取り組み

(1)情報発信

 医師会は、医療政策提言、医師の職業的自律の担保、地域医療体制の維持など、医師にとって必要不可欠な役割を担っている。
 しかし、日本医師会に対しては「政治的団体」「開業医の利権を守る集団」といった印象が先行し、「何をする組織なのか分かりにくい」と受け止められているのが現状である。
 日本医師会は、YouTubeでの動画配信やホームページの整備等により情報発信に努めてきたが、これらは関心層が自ら閲覧する「プル型情報発信」にとどまりやすい。
 今後については、メールやLINE等で、ホームページやYouTubeへ誘導する「プッシュ型」での情報提供も積極的に活用すべきである。
 また、時宜を得たテーマでアンケートを行い、集計・分析結果に対する医師会の見解や対応を明確に示すサイクルを確立することで、開かれた組織としての姿勢を示し、加入意識や参画意識の向上につなげることも期待される。
 そうしたアンケート結果にどこまで真摯(しんし)に向き合えるかが、医師会の組織体質改善への姿勢を問うものとなる。

(2)医学生・研修医との関係構築を見据えた機会の設定

 医学生・研修医との関係構築に向け、各地域医師会では様々な取り組みが行われている。
 大阪府医師会勤務医部会では、平成23年度から「医学生と語る会」を継続的に開催し、勤務医・若手医師がファシリテーターとなり、ワールドカフェ形式による少人数対話を実施している。
 また、「進路」「働き方」「専門医制度」「女性医師のキャリア」等の医学生の関心が高いテーマを中心に議論することで、医師会が「相談できる場」「学びの場」であることを体感できる機会にもなっている。
 今後は、医師会活動への参画を「卒後に始まるもの」ではなく、「医学生期から自然につながるもの」として再設計すべきである。
 また、医師会活動を「医療政策を学ぶ場」「他施設・他世代とつながる場」「将来の選択肢を広げる場」として可視化し、その実利的価値を積極的に発信するとともに、医学生・研修医期における「最初の出会い」と「成功体験」を人材育成戦略として制度的に強化することが組織強化につながるものと考える。

2.「勤務医が望む医師会とその活動」に向けての取り組み

(1)医師会組織について

 勤務医は地域医療、高度医療、救急医療を支える不可欠な存在であるが、勤務環境や価値観の多様化により現行の医師会制度との間に乖離(かいり)が生じ、医師会活動への参画が十分に進んでいない。医師会が真に医師の職能団体として機能するためには、勤務医が参加しやすく、その意見が確実に反映される制度設計が不可欠である。
 また、勤務医にとって、会費負担は医師会入会の大きな障壁であり、医師会の公益性や活動内容を踏まえつつ、勤務形態や収入状況に応じた柔軟な会費体系の導入が求められる。
 併せて、若手・中堅勤務医の多様な勤務形態に応じて会員区分を再整理し、各区分の代表が医師会運営に参画できる仕組みを整えることで、勤務医の声が制度的に反映され、医師会活動の実効性と公平性も高まるものと考える。
 入退会や異動手続きのオンライン化を目指して導入された会員情報システム「MAMIS」についても、会員・非会員共に認知度が十分とは言えない。今後は利用者目線に立った運用改善と、更なる周知・広報の強化が不可欠である。

(2)勤務医の意見集約の場の設定

 勤務医が日本医師会の活動へ主体的に参画していくためには、勤務医の意見を継続的かつ体系的に集約するばかりでなく、共有・発信するための「場」を整備することが大変重要である。
 現在も全国医師会勤務医部会連絡協議会や各ブロックにおける勤務医委員会、勤務医部会等、意見集約や交流の枠組みは存在しているが、設置状況や活動内容には地域差がある。そのため、各都道府県医師会で勤務医の意見を集約する公式な組織や会合の設置を促進するとともに、既存の枠組みを活用した横断的な情報共有を進めることが必要である。
 また、勤務医の参画意欲の向上には、日本医師会に参画することで「何ができるのか」「自らの意見がどのように政策や提言に反映されるのか」を可視化し、分かりやすく伝えることが肝要である。
 大阪府医師会では、大学や地域の病院、行政、医師会が連携する会議において制度設計の初期段階から勤務医が議論に参画しているが、こうした好事例を横展開する仕組みを構築することが、勤務医の更なる参画促進につながると考える。

(3)若手医師の研修やキャリア形成に対する支援

 若手医師・若手勤務医にとっては知識や技術の習得、臨床・学術経験の蓄積が最大の関心事であり、医師会活動を自分事として捉える医師は少ない。しかし、医師会の組織率向上と将来を担う人材育成のためには、若手医師に医師会の役割を理解してもらい、積極的な参加を促す取り組みが不可欠である。
 日本医師会では、シンポジウム「未来ビジョン"若手医師の挑戦"」の開催や研修医を含む医学部卒後5年間の会費減免制度など、医師会活動への理解促進と加入のハードルを下げる取り組みを進めており、北海道医師会の"若手医師専門委員会"、京都府医師会の"臨床研修屋根瓦塾"、福岡県医師会の"若手医師ワーキンググループ"、大阪府医師会の"U40 OSAKA"等、各都道府県医師会でも研修医・若手医師を対象とした支援活動を展開している。
 今後は、医師会活動の意義を分かりやすく伝える啓発活動を継続・充実させるとともに、学術活動・専門医取得に関連した支援、キャリアに対する支援等を強化する必要がある。併せて、SNSを活用した情報発信やWEB会議の活用、医師会活動が医療機関内で適切に評価される仕組みの検討も望まれる。

(4)医師会が勤務医に望む役割や活動について

 医師会は地域医療を支える代表組織であるが、その実効性は医療現場の声をどれだけ反映できるかに掛かっており、勤務医の参画は医師会組織の持続性を高める上でも不可欠である。
 医師会が勤務医に望む第一の役割は、病院医療の実情を正確に伝えることである。オンライン会議への参加、アンケートや意見聴取への協力、期間限定のワーキンググループへの参画等、無理のない形での関与が基本となるが、長時間労働、当直体制等、日常診療で直面する課題は短時間の意見表明や簡潔な情報提供であっても医師会活動に大きく寄与するものである。
 第二には、病院と地域をつなぐ橋渡し的役割である。診療所と病院、急性期医療と在宅医療を円滑につなぐためには、双方の事情を理解する勤務医の視点が欠かせない。勤務医が医師会活動に参画することで地域医療の全体像や制度を理解する機会が広がり、結果として医師会はより現実的で強固な組織となると考える。

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