勤務医のひろば


近年、顧客が従業員に向かって正当なクレームではなく、理不尽な要求や言い掛かりを行い、威圧的な態度で暴言を吐くといったカスタマーハラスメントが起きている。
医療機関も例外ではなく、当院でもそれが原因で出勤できなくなった職員がいる。そのため、2025年12月に「クレーム相談・支援委員会」が立ち上がった。
これはクレームの初期対応は各部署で行い、各部署で対応しきれない時に委員会へ相談し対応するというものである。しかし、医療機関においては、業務上それほどモンスターなハラスメントは多くないのではないかと思う。
そもそも健診で異常を指摘されたり、具合が悪くて病院に来たりしている患者やその家族に、職員の言動に対する寛容さを求めてはいけない。クレーマーにどう対応するかではなく、クレームが生じないようにすることが大切である。そのために、病院職員は目の前の人にどうすれば喜んでもらえるかをいつも考える必要がある。
大事なのは相手が何を求めているかよく観察することである。患者にしてみれば、自分が期待しているサービスを受けられなければがっかりし、権利意識の強い人だとつい強い口調になるかもしれない。それは自分のこととして考えてみれば理解できることだ。
患者ファーストで職員一丸となって働いていても、たった一人の不注意な一言でそれまで積み上げていた病院のイメージが崩れる。
患者サービスという目的意識をもてずに、表情が硬いスタッフがいたら積極的に声を掛け(これすら今はうざいと言われ、ハラスメントと呼ばれる可能性はあるが......)、笑顔で接遇できる職員ばかりになれば、患者にとっても職員にとっても魅力的な病院になるだろう。



