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医学部を卒業し、臨床研修を終え、診療科を選択した後も、皆さんの進む道は多岐にわたります。大学院に入学して研究に携わる道も、その一つです。研究は医師にとってどのような意味を持っているのか、先輩たちの軌跡を辿って考えてみましょう。

 

皆さんは、将来大学院に進んで研究をしようと考えたことはありますか?「大学院での研究生活の具体的なイメージがわかない」「将来は臨床医志望だから、研究したり学位を取ったりすることにどんな意味があるのかわからない」と思っている人も多いのではないでしょうか。実際、臨床研修修了者を対象とした厚生労働省の調査*1では、医学博士の取得を希望する人は全体の約4割でしたが、「わからない・まだ決めていない」と回答した人も約4割という結果が出ています。

今回の特集では、基礎研究・臨床研究・社会医学研究の各分野で「日本医師会医学研究奨励賞*2」を受賞した4人の先生方に、これまでの研究の軌跡や、研究生活を振り返って感じる意義についてお話を伺いました。また最後には、日本医学会の会長である門田守人先生に、医師が研究に携わることの重要性について伺っています。

先人たちの研究成果の上に立って医学の体系を見渡し、科学的な手順を踏んで新しい事実を突き止めていく経験は、その後臨床に携わるときの糧にもなるでしょう。研究に興味がある人も、よくわからないなと思っている人も、この機会に、自分のキャリアと研究についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

*1 平成29年臨床研修修了者アンケート調査結果概要より。
*2 日本医師会医学研究奨励賞...毎年1回、日本医師会会員で、医学上将来性に富む研究を行っている医師15名に授与される。

 

No.25