大学紹介

新潟大学

【教育】新潟大学医学部医学科の卒前教育

医学部医学科総合医学教育センター 鈴木 利哉

鈴木 利哉

新潟大学医学部医学科では教育理念として医学を通して人類の幸福に貢献することを第1にあげております。そのために必要な基礎医学、臨床医学の研究を推し進めております。新潟大学では伝統ある脳研究所、腎研究施設もあり、脳研究、腎研究にも力を入れております。医学部医学科の学生は、1年次は医学科のある旭町キャンパスから離れて五十嵐キャンパスで教養科目を学びます。夏に早期医学体験実習(EME)を学び、初めて患者さんと接する機会があります。2年次からは旭町キャンパスで基礎医学を学びます。3年次からは臨床医学の学習も始まります。4年次には医学研究の技法を習得してもらうため4か月間、基礎医学研究室に配属されます。希望者は大学外や海外の研究室に学びにゆくこともできます。2か月間の研究成果は大講義室で全員分が掲示され、活発な議論が行われます。4年次には臨床実習入門が行われ、共用試験OSCE、CBTを受験します。合格者は5年次からの臨床実習を許され、臨床実習Ⅰを始始します。6年次は臨床実習Ⅱを行います。卒業試験があり、医師国家試験があり、合格すれば医師としてスタートします。新潟大学では医学生の英語コミュニケーション能力の向上に力をいれており、1年次からのジャーナルクラブ(英文論文抄読)、英語会話コース、ネイティブな研究者との英語での議論が行われています。6年次の臨床実習Ⅱは米国ミネソタ大学において行うことが認められており、毎年2名が厳しい選抜競争を勝ち抜いて交換留学しております。

6年間の卒前教育については平成26年度からのカリキュラム改定を予定しています。日々すぐれた卒前医学教育を行うことができるように努力を重ねてゆきたいと思っております。

【研究】古き伝統と新しい風

副学部長・神経生化学 五十嵐 道弘

新潟大学医学部は、2010年6月に創立100周年を迎えました。新たな世紀を歩む私たちは、「古き伝統に、常に新しい風を起こしつつ、世界の研究を革新する精神」で着実に歩み続けています。

新潟大学医学部は多様な研究分野を有していますが、最近文部科学省から各医学部における「ミッションの再定義」という課題を与えられた際に、研究の3本柱として「神経・腎臓・コホート研究」を掲げました。これは本学の最も特徴的な研究として、全国の医学部の中で研究者数も実績も大きな研究分野としてそれらが挙げられる、という意味です。

神経科学の研究では、医学部と密接な関係を持つ脳研究所が有名で60年の歴史を誇りますが、医学部の中にも多数の脳科学の研究領域、研究者を有しています。脳研究所との緊密な関係のもと、脳の分子レベルからシステムまで、また精神疾患、神経疾患の発症原理に至るまで多様な優れた研究が行われています。

腎臓の研究では腎研究施設を大学院に有し、基礎・臨床レベルで糸球体腎炎や腎移植などについて優れた基盤的研究を輩出しています。科学研究費でも「腎臓内科学」の細目で国立大学第一位を占めており、腎研究のメッカです。

コホート研究は地域の疫学研究に、ヒトゲノムの疾患感受性研究を加えて進めており、特に佐渡島の佐渡総合病院の協力を受けた「佐渡プロジェクト」は、文部科学省から支援を受けて研究が進んでいます。このプロジェクトの意義は長期的なものですが、今後の研究の発展基盤として非常に重要なものと考えています。

もちろんこれらの分野以外でもイメージング、がん(腫瘍医学)等の分野でも活発な研究がなされています。近年は教授層に他大学出身者も増加し、まさに「古き伝統」と「新しい風」が融合してさらなる発展段階にあるのが新潟大学の研究の現状と言えるでしょう。


【学生生活】特色ある授業で医学を学ぶ

新潟大学医学部4年 水谷 栄介
同5年 永井 佑

水谷:新潟大学の授業のなかで難しいと言われているのは2年生の生化学と生理学です。毎年凝った問題が出題されるので、ただ漫然と授業を聞いているだけでは試験に受からない。授業で得た知識を自分なりにまとめ直して、定着させておかないと手が出ないような問題が出題されます。

永井:うちの特徴の一つは、公衆衛生学の授業で保健所実習があることですね。4年次の夏休みに2日間、基本的には自分の出身地の保健所に行くんです。実習先の保健所には自分でアポイントを取ったうえで、大学から依頼状を送ってもらいます。私は東京出身なので世田谷区の保健所に行って、結核審査、乳幼児健診、所長の講義などを経験しました。

水谷:僕は新潟で保健所実習をしました。自力では病院に行くことのできない地域のご老人宅を伺って、健康状態をフォローするのに同行しました。他職種のスタッフと議論しながら制度を改めたり感染症予防の対策を考えたりするという話を聞いて、そういう働き方もあるんだなと思いました。

永井:4年後期には、医学研究実習で基礎医学系の研究室に2ヶ月間行って、各々テーマを見つけて研究します。大学の先生の紹介で他の都道府県に行ったり、自費ですが海外に行ったりすることもあります。

水谷:僕は軟式野球部に所属していて、週に2~3回、2時間の練習をしています。入学前は大学=サークルというイメージだったんですが、実際に入ってみたら、医学部にはサークルがほとんど無くて、部活しかない。昔は厳しい先輩がいてちょっと大変な恒例行事もあったんですが、僕はそれが嫌で自分が幹部の学年の時に制度を変えたんです。今はみんなで楽しく練習してますよ。

※医学生の学年は取材時(2013年2月)のものです。


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