休業時のサポートの落とし穴

公開日:2021.09.13 / 最終更新日:2022.04.27
Point
  • 医師ならではの
  • 複雑な雇用形態が
  • 休業時のサポートに影響を
  • 及ぼす可能性があります。

① 育児休業の取得や給付金の受給の対象外になる可能性があります

雇用形態によっては、育児休業を取得することができなかったり、育児休業給付金の受給の対象外となる可能性もあるため、注意が必要です。

●育児休業の取得要件

<育児休業を取得できる人の範囲>
1.期間の定めのある労働契約で働く人は、申出時点で以下の要件を満たすことが必要
子どもが1歳6か月(2歳に達する日まで取得する場合は2歳)に達する日までの間に雇用契約が更新されないことが明らかでない

2.以下の要件に該当する場合は、育児休業を取得できない
(対象外とする労使協定がある場合に限る)

雇用された期間が1年未満
年以内に雇用関係が終了する
週の所定労働日数が2日以下

3.日々雇用される人は育児休業を取得できない

(参考:厚生労働省「働きながらお母さんになるあなたへ」)



●育児休業給付金の受給要件

・育児休業後の退職予定がない
・育児休業を開始した日から前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12か月以上ある
・被保険者期間において上記要件を満たさない場合でも、産前休業開始日等から前2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上ある
・有期雇用の場合、子が1歳6か月に達する日までの間に労働契約が更新されないことが明らかでない

② 休業手当・補償の金額が収入に比べて少ない可能性があります

出産や育児、介護のために休業する場合は、出産手当金や育児休業給付金、介護休業給付金といった手当が受けられます。また「働けない人を経済的に支える仕組み」で触れたように、業務外の事由による病気や怪我の療養のために休む場合には傷病手当金が、業務や通勤が原因となった病気や怪我による療養のために休む場合には休業(補償)給付が、それぞれ支給されます。
これらの金額は、主な勤務先(健康保険・雇用保険・労災保険などに加入している勤務先)の給与から算定されますが、「医師の働き方の構造的な問題」で触れたように、医師は複数の勤務先で働いていて、主な勤務先の給与が少ない場合もあります。その場合、手当や補償の金額が収入に比べて少なくなる可能性があるため、注意が必要です。

【体験談】 継続雇用が難しいと大学に戻され、育児休業が取れなかった (内科、40代)

私は医局人事で市中病院に勤務している時に妊娠しました。上司に妊娠を報告し、産後に育児休業を取りたいと申し出たところ、「うちの病院で継続雇用することは難しい」と言われてしまい、やむなく大学に戻されることになりました。
大学では非正規雇用であり、勤続期間も1年に満たなかったため、当時の制度では産後は育児休業も取れず、給付金ももらえませんでした。さらに悔しかったのは、保育園の入所審査の際に産前の勤務実績が認められなかったことです。復帰したくても、認可保育所にはなかなか入れませんでした。
当時に比べ、現在は新たな制度が施行されたり、少しずつ条件が緩和されたことなどにより、様々な支援が受けられるようになっています。若い方たちには、ぜひ、自分にあてはまる条件をよく調べて、上手に利用してほしいと思います。

【体験談】 勤務先の理解があっても、給付金はもらえないことがある (精神神経科、30代)

私は20代で第一子を出産し、その後は民間の医療機関で常勤医として働いていました。しかし夫が2年間の予定で遠方の専門病院に研修に行くことになり、私もついていくことにしました。上司にはまた戻っておいでよと言っていただいたので、移転先でもアルバイトを見つけて週に2日は診療に携わっていました。
2年が経って元の職場に復帰させていただいた直後に、第二子の妊娠がわかりました。上司は産後の育休を許可してくださったのですが、給付金は制度上、出ないとのことでした。アルバイトしてちゃんと税金も払っているのに…と思いましたが、仕方ありません。まだまだ、柔軟な働き方に制度が追いついていないのだと思います。


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