労働時間・休暇に関するルール

公開日:2021.09.09 / 最終更新日:2024.04.01
Point
  • 労働時間・時間外労働、
  • 休日・有給休暇の日数等は
  • 原則として法律で定められています。

① 労働時間や休憩は、法律で定められています

使用者は、原則として休憩時間を除き1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならず(労働基準法第32条)、この限度を法定労働時間と呼びます。ただし、労使協定または就業規則で定めれば、月単位・年単位で労働時間を平均化する変形労働時間制をとることもできます。
使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければなりません(労働基準法第34条)。
労働契約締結時には、始業・終業時刻、所定労働時間(原則として法定労働時間を超えない範囲)、休憩等の条件が明示されます。

② 時間外労働は、一定時間を超えないことが求められます

●時間外労働
労働基準法では、原則として残業や休日勤務は禁止されています。法定労働時間を超えて労働者に残業をさせる場合には、労使間で協定を締結し、届け出ることが必要です(36協定)。また、36協定を結んだうえで残業や休日出勤をさせる場合でも、原則として月45時間、年360時間が限度時間とされています(労働基準法第36条第4項)。
臨時的な特別の事情があり、労使が合意する場合にはこの限度時間を超えることはできますが、その場合でも、原則として以下の枠内の上限時間を超えることはできません(労働基準法第36条第5項、第6項)。違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が定められています。

時間外労働が年720時間以内
時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て一月あたり80時間以内
時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月(6回)が限度

●長時間労働と過労死リスク
時間外・休日労働の時間が長くなればなるほど、健康障害のリスクは徐々に高まるとされています。特に、時間外・休日労働が月100時間を超えた場合、または2~6か月平均で80時間を超えた場合、業務と過労死等の関連性は強いと評価されています。ですから、自身の時間外・休日労働が月100時間を超えたときには、産業医による面接指導を受けるようにしましょう。
なお、医師ならではの勤務形態として当直(宿直・日直)があります。当直勤務の法律上の扱いについては、「医師の健康を守るで詳しく取り上げています。

③ 休日は労働契約や就業規則で定められています

休日の日数や取得方法については、労働契約や就業規則において規定されています。労働条件通知書を参照し、休日がどのように定められているかを確認しましょう。
また、労働基準法では、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと定められています(労働基準法第35条)。

④ 有給休暇は、理由を問わず取得できます

使用者は、労働者が6か月間継続して勤務し、その6か月間の8割以上を出勤した場合は、10日(継続または分割)の有給休暇を与えなければなりません(週あたりの勤務日数によって異なります)。
以降は、継続勤務1年ごとに1日ずつ、継続勤務3年6か月以降は2日ずつを増加した日数(最高20日)を与えなければなりません(労働基準法第39条)。
有給休暇は、基本的には理由のいかんを問わず、労働者が請求した時季に取得できるとされています。労働者が具体的な月日を指定した場合、使用者はその日に有給休暇を与える必要があります。
ただし、使用者には「時季変更権」という権利があり、代替人員を確保できなかったり、同一期間の休暇申請者が多数いる等により、事業の正常な運営が妨げられる場合などは、休暇を他の時季に変更するよう依頼することができます。
なお、2019年4月より、年次有給休暇が10日以上付与される労働者について、年5日の休暇を取得させることが使用者の義務になりました。他に、使用者が計画的に取得日を決めて与える「計画年休」、労働者が半日単位での休暇取得を希望した場合の「半日単位年休」、同じく労働者が時間単位での休暇取得を希望した場合の「時間単位年休」などがあります。


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