交流ひろば

第8回 慶熙大学韓医学部 遠隔鑑別診断 東洋医学vs西洋医学 
韓医師と日本の医師が「脱毛」対策を徹底討論!

NPO法人KnotAsia、慶熙大学韓医学部共催

2020年11月23日(月)、東京にて、「第8回 慶熙(キョンヒ)大学遠隔鑑別診断」が開催された。

本企画は「医療を通じてアジア・世界を結ぶ」ことを目標に活動し続けるNPO法人KnotAsia主催の企画。企画発案は同NPO法人代表である大村和弘医師(東京慈恵会医科大学講師)、市川剛医学部専門予備校YMS代表。ある症状を訴える模擬患者に対し、東洋医学と西洋医学、それぞれの知見から診察をする。東洋医学に関心を寄せる医師、研修医、医学生が集い、毎回熱い討論と講義が展開されている。今回は「脱毛」をテーマとし、大村医師自らが模擬患者となった。

本年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、開催が危ぶまれたが、大村医師、市川代表、そして韓国・慶熙大学の金奎錫(キムギュソク)教授の「8年目となる日韓交流を、たとえコロナ禍だとしても絶対に実現する」との熱い想いから、無事に開催されるに至った。

企画当日は、東京会場に、順天堂大学の金井晶子医師を中心に、東京慈恵会医科大学の研修医、日本医科大学の医学生、聖マリアンナ医科大学の医学生らが集まった。また、Zoomにて、石川県で研修医を務める春田侑亮氏、大分大学の医学生、慶熙大学の医学生らが加わり、模擬診察を実施。東京会場、慶熙大学会場、大分会場がそれぞれの診察結果を発表した。その後、金教授、大村医師が東洋医学・西洋医学それぞれの立場から講義を行い、東洋医学の視点からは「六味地黄丸」を内服することが提案され、西洋医学の視点からは「Minoxidil(ミノキシジル)」の外用や、これからの「再生医療」への期待が述べられ、結びとなった。

「医療は国境を越える」――コロナ禍でも情熱を燃やして活動・研究を続ける医師とその卵が一堂に会した一夜であった。

 

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米国内科学会日本支部 若手医師部会 第6回セミナー開催報告

米国内科学会日本支部レジデント・フェロー委員 練馬光が丘病院 初期研修医1年目 後藤 寿郎

米国内科学会(ACP)日本支部の若手医師部会(Resident Fellow Committee:RFC)は、2020年11月21日(土)に第6回RFCセミナーを開催しました。本セミナーは、内科系各分野の専門家を講師としてお招きし、講演やACPの生涯学習教材MKSAP等を用いた「弾丸診断道場」を通じて、若手医師の臨床能力の向上を図ることを目的に、年2回程度開催しているものです。

今回のテーマは「GIM×感染症」で、矢野晴美先生(国際医療福祉大学医学部感染症学教授)と加藤幹朗先生(筑波大学医学群感染症科)をお招きしました。今回は新型コロナウイルスの影響を受けて初のWEB開催となったことで、学生から若手医師、ベテラン医師まで、全国から100名以上の方々に熱心にご参加いただき、チャットでも多数の質問やコメントが飛び交う大盛況となりました。

第1部は、ナイジェリア人の下痢を題材とした、メッセージ性のある症例検討会で、加藤先生にコメンテーターを務めていただきました。「非常に悩ましい症例に出会ったときこそ、培養し薬剤感受性判定をする」という感染症診療の基本原則に立ち返ることが大切であるということを再認識しました。

第2部では、矢野先生から抗菌薬についてレクチャーをしていただきました。講義内では、「病態」「微生物」「抗菌薬」の三つを結びつけて考えることが改めて強調されていました。十分に病歴を聴取して臨床経過全体を把握し、広く鑑別を挙げ、想定される微生物と適切な抗菌薬を選択することを学びました。医学生は症例をベースとしながら薬理機序や微生物といった基礎医学と臨床医学のつながりを意識し、臨床研修医は疾患ベースに、専門研修医以降は臨床微生物学の強化を意識した勉強をしようと具体的なアドバイスも頂きました。

第3部は、毎回好評の「弾丸感染症道場」です。米国内科学会公式問題集(MKSAP)を用いて、取り上げた4題一つひとつに関して先生方から教育的なコメントを頂き、知らないと解決できない臨床課題について、参加者の理解もきっと深まったことと思います。

RFCでは、今後も若手医師や医学生がワンランク上の診療を目指せるような、明日からの診療に役立つ知識やテクニックを学べるイベントを行っていきます。同時に、海外を目指す方々のプラットフォームであり続けられるよう努めます。2021年6月には、初めての試みとなるACP日本支部年次総会のオンライン開催が予定されています。関心のある方はぜひご参加ください。

【日本支部総会】

日時:2021年6月26日(土)~27日(日)

 

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No.36