グローバルに活躍する若手医師たち
日本医師会の若手医師支援
JMA-JDNとは
Junior Doctors Network(JDN)は、2011年4月の世界医師会(WMA)理事会で若手医師の国際的組織として承認されました。JDNは、世界中の若手医師が情報や経験を共有し、未来の医療を考えて行動するための画期的なプラットフォームです。日本医師会(JMA)は2012年10月に国際保健検討委員会の下にJMA-JDNを立ち上げました。これまで若手医師の集まりは学会や医局、地域、NGOなどの枠組みの中でつくられてきました。JMA-JDNは、多様な若手医師がそれらの枠組みを超えて、公衆衛生や医療分野において自由に自分たちのアイデアを議論し行動できる場を提供したいと考えています。関心のある方は検索サイトやFacebookで「JMA-JDN」と検索してみてください。
今回は、JMA-JDNの若手医師が海外の若手医師に話を聴きました。
COVID-19パンデミックと外科 ―海外若手医師より―
北海道大学病院 内科I 佐藤 峰嘉
世界に広がるJunior Doctors Networkのつながりを活かして、海外の若手医師がパンデミック下においてどのようなことを考えているかお伝えします。
お話を伺ったのはイタリア・サッサリ大学一般外科で研修中のTeresa Perra先生です。2018年にイタリア・サルデーニャ自治州のカリャリ大学を卒業後、大腸外科、肝胆膵外科を専門としています。
イタリアはヨーロッパの中で最も早くパンデミックの影響を受けた国であることはよく知られている通りですが、他の多くの国々と同様に医療提供体制にも大きな影響を与えました。イタリア全土でも待機的手術の件数は減少したそうです。多くのICUの病床や麻酔科医師がSARS-CoV-2感染者対応にあてられたことが、外科的治療が減少したことの一因となりました。パンデミックにおいてどのような外科的アプローチが最適かという疑問や、腹腔鏡手術においてウイルス伝播が起こりうるのではないかという懸念が上がったそうです。手術症例に優先順位も付けられましたが、待つことができる症例ばかりではなく、命に関わる症例では当然緊急手術しなければならないときもありますし、早期診断・早期治療が重要な悪性疾患の治療を先延ばしにし続けることもできません。
医師が皆、通常の診療とCOVID-19の診療の両方に携わらなければならないため、COVID-19以外の診療にも医療資源や人員の面で影響が及んでおり、呼吸器感染症のパンデミックがこんなにも外科診療に影響を及ぼすのかと実感させられたとのことです。
日本でも外科手術のトリアージの指針が外科系学会から公表されたり、ICUの病床がCOVID-19診療に割り当てられるなどの対応が続いていますが、世界各国で同様に困難な局面が続いています。
ご協力いただいたPerra先生に感謝申し上げます。

2012年北海道大学卒。北海道内で総合内科・呼吸器内科研修後、現在同大学で呼吸器内科診療・基礎研究に携わる。
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パンデミックが1日でも早く収束しますように。
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※寄稿:2021年8月
※先生方の所属は、寄稿当時のものです。



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