10年目のカルテ

命を救うことと機能を再建することを両立する

【整形外科】八幡 直志医師
(帝京大学医学部附属病院 外傷センター)-(前編)

ダイナミックさに惹かれて

――先生は、当時まだ臨床研修が必修でなかったにもかかわらず、3年間のローテーション研修を経験されているんですね。

八幡先生

八幡(以下、八):はい。周囲にはすぐ医局に入る人が多かったのですが、私は医学部卒業の時点で何をやりたいかが決まっていなかったので、ローテーション研修を行っていた都立病院に入職しました。しかし2年間の初期研修の後も専門分野が決められず、追加で整形外科と脳外科を半年ずつ回らせてもらいました。

――最終的に整形外科を選んだ決め手は何でしたか?

八:折れた骨を戻したり、ざっくり切れたところを治したりというダイナミックさに惹かれたからです。救急車で運ばれてきた外傷の患者さんを治療する先輩医師の姿に憧れ、その先生が所属する整形外科の医局に入りました。
ただ、入局直後は苦労しました。専門分野を選んだのが遅かった分、同年代の医師たちよりも整形外科の専門的な手技がうまくできなかったんです。「4年目なのにそんなこともできないのか」と怒られることも多く、悔しい思いもしました。

――その後、医局の人事で、約1年半ごとに大学病院と各地の関連病院を回られたんですね。

八:はい。ただ大学病院は扱う内容が専門的で、自分がイメージしていた「現場」とは何か違うなと感じてしまったんです。今思えば、初期研修の頃によく呼ばれていた救急の雰囲気を「これが医療の現場なんだ」と感じていたからかもしれません。もっと患者さんに近い場所で働きたいと思い、医局人事では最前線で働くことのできる地方病院や都立病院を希望しました。

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