FACE to FACE

interviewee 櫛渕 澪 × interviewer 梅本 美月

各方面で活躍する医学生の素顔を、 同じ医学生のインタビュアーが描き出します。

山本さん

梅本(以下、梅):櫛渕さんは医療ビジネスコンテスト*Perryの代表を務めましたよね。そもそもビジネスに興味をもったきっかけは何だったのですか?

櫛渕(以下、櫛):正直に言うと、大学入学までの私の目標は医学部へ入ることそのもので、その後の将来像を持てていませんでした。転機になったのは入学後に行った3日間の震災ボランティアです。入学直後の医学生が被災地でできることは限られていて、自分は問題の解決に全く役立てていないと痛感しました。

 震災などの深刻な問題を前にした時、医師としてのスキルのみを向上させる選択肢もあります。でも私は、医療や社会貢献って対症療法でいいのだろうかと疑問を持ち、「医学」の外の世界を見てみたいと思いました。そんな時に医療ビジネスコンテストに出会ったんです。

梅:医療ビジネスコンテストを知ったとき、どう思いました?「医療に必要なのはお金じゃなくて熱い気持ちだ!」という考えはありませんでしたか?

櫛:正直、最初は「医療でお金儲けなんて、大丈夫?」と怪訝に思っていました。けれど、それまで知らなかった世界が新鮮に思えて参加してみると、徐々に考えが変わっていきました。

梅:ビジネスと医療を掛け合わせることで、どんな良いことが生まれると思いますか?

櫛:ビジネスの強みは、持続可能性にあります。今の医療体制は、医師の生活や将来の世代を犠牲にすることで維持できているという側面があると思います。医療にビジネスの視点を取り入れることで、閉鎖的と言われる医療を、ITやNPOなどの様々な分野とつなぐことができると考えています。それによって、患者さんの細やかなニーズに応えるサービスの提供や医師の業務効率化など、医療にとってプラスを生み出せます。また国のレベルでは、今まで「負担」だと捉えられてきた高齢化や医療費増大を逆に「強み」にすることができ、医療から日本全体を活気づけられると考えています。だいぶ大きな話ですが(笑)。

梅:なるほど。では、ビジネスコンテストの代表をやっていて良かったことは何でしょうか?

櫛:一番面白かったのは、ビジネスの第一線で活躍されている方や、医療を変えようと奮闘されている方、私より遥か先を見据えている同世代に会えたことですね。やはり学生の特権って、社会人になったら絶対に会えないであろう人に、比較的簡単に会えることだと思います。

梅:人に会うとエネルギーをもらえるし、本当に楽しいですよね。私の知人が「合コンよりも、勉強会の懇親会の方が絶対に面白い。いろんな人と話せる機会だし、興味の対象が近いから仲良くなれる。」と言っていたんですが、まさにそうですよね。

櫛:間違いない(笑)。普段出会えない人と話せるし、合コンよりも絶対に懇親会ですね。

梅:学外でいろんな活動をしたいけれど、あと一歩が踏み出せない学生の背中を押すとしたら、櫛渕さんは何と言いますか?

櫛:最初のハードルが高いのはわかります。けれど気になる活動に、参加してみるだけなら1時間です。最初はアウェー感が強いと思いますが、1か月もすれば馴染むものだし、それを半年続けていれば立ち位置や見える世界が変わる。1年経つ頃には、周囲の人から認められるようになるはずです。最初のハードルを前にしてためらうのではなく、半年、1年後に自分がどうなっているのかを想像したうえで、その一歩を踏み出すかどうかを決めるといいと思います。

 

*Perry…医療学生ラウンジが運営する、【医療に興味のある全ての学生】を対象としたビジネスコンテスト。全国から集った学生が、医療問題を解決するためのビジネスプランを提案する。

F2F

interviewee 櫛渕 澪(東京医科歯科大学3年)
1994年生まれ、小学生時代をブラジルで過ごす。医療ビジネスコンテストPerry2014元代表。医療学生ラウンジでは、「医療と他分野をつなぐ」、「楽しく成長する」を提供しています。興味を持たれた方は、Facebookでご連絡ください!
WEB: http://iryogakusei.com/


interviewer 梅本 美月(日本医科大学3年)
今回櫛渕さんには多くの質問をさせていただき、とても刺激を受けました。同級生とは思えないほど、しっかり力強く生きている彼女を改めて尊敬しました。櫛渕さんに会うといつもエネルギーをいただくのですが、その源がわかった気がします。これからもご活躍をお祈りしています!

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