レジデントロード

【血液内科】辻 紀章先生
(金沢大学附属病院 血液・呼吸器内科)-(前編)

辻先生

――なぜ血液内科を選ばれたのですか?

:医学部に入った頃は循環器内科を志望していましたが、4年生の系統講義がきっかけで血液に興味を持ち始めました。5年生の頃に、知人が悪性リンパ腫で若くして亡くなる出来事があり、また同時期に臨床実習先で、私と同い年の患者さんが急性リンパ性白血病で抗がん剤治療に取り組んでいる姿を目の当たりにしました。どちらも強烈な体験で、何とか血液難病の方々の力になりたいと、5年生の終わりには、血液内科に進むことを決意しました。

――臨床研修病院に虎の門病院を選んだ理由は何でしたか?

:虎の門病院は、臍帯血移植が国内で最も盛んな病院の一つで、年間100件以上の移植を行っているためです。また、私は北陸の出身で、いずれ北陸に戻るつもりでしたので、臨床研修では全国から集まった人たちと切磋琢磨するのもいいなと思ったんです。実際、モチベーションの高い同期に恵まれ、楽しく実りある時間を過ごせました。

2年間で内科系の科をローテーションし、最後の方に血液内科を回りました。血液内科というと専門性の高いイメージがあるかもしれませんが、移植の際などには全身の臓器への深刻なダメージや合併症も起こりうるので、全身管理や感染管理といった視点も必要なのです。ですから、内科を幅広く学んだことはとてもプラスになっていると思います。また、虎の門病院では臨床研修医の担当する患者数が多く、自分が主体となって患者さんと関わることができたことも、大きな学びになりました。

――その後は金沢大学で専門研修をされていますね。

:はい。3年目からは金沢大学で、上級医と共にチームで主治医を務めました。担当患者の治療方針については、私がアウトラインを立案し、臨床カンファレンスで相談するという形をとっていました。そのため3年目の頃は、教科書や論文をひたすら読み込んでいました。

4年目からは市中病院で外来も担当しました。入院の場合、気になったことがあればすぐに検査したり、病棟で患者さんに説明もできますが、外来の場合は次の診療まで時間が空くことも少なくないため、その場で正しい判断をする能力が求められます。また、急性白血病や悪性リンパ腫は入院治療が多いのに対し、真性赤血球増加症や慢性骨髄性白血病などは基本的に外来での治療となります。診る疾患がそもそも異なるので、どちらも非常に勉強になります。