交流ひろば

医学教育に医学生の声を

MyFF(Medical Youth Fingertip Forum)

MyFF(Medical Youth Fingertip Forum)は、これまでに存在してこなかった、「医学生の声を集めて経時的に追跡し、医学教育に反映する仕組み」を作るために2020年1月に発足しました。現在、日本医師会や日本医学教育学会、厚生労働省、文部科学省などに医学生の声を届け、実際の医学教育や政策・制度を変える働きかけを行うことを目指して、有志の医学生ら11人で活動しています。この取り組みの第一弾として、2020年4月12日(日)~2020年4月24日(金)に全国の医学生を対象としたオンラインアンケート調査を行いました。この記事では、アンケート結果の一部とMyFFの活動についてご紹介します。

〇第1回アンケート結果

新型コロナウイルス感染症の拡大による生活面・学習面等に生じた様々な変化について、全国の医学生2,443名の回答を得ることができました。回答・拡散に協力してくださった皆さん、ありがとうございました。

分析の結果、様々なことが明らかになりました。その一部をご紹介します。さらに詳しい結果については、MyFFのホームページをご覧ください。

・感染予防策について

90%以上の医学生は、三密を避けたり、手洗い・うがいを励行したりとCOVID-19感染拡大防止に努めていたこと、感染が拡大していた大阪・兵庫、東京・神奈川に居住中・滞在中の学生は特に人との接触を避けていたことがわかりました。

・経済的な影響と不安について 

経済的な影響はないと感じている医学生は1,104名(45.2%)いる一方で、経済的な影響はあると感じている学生は894名(36.6%)、そのうち、大いにあると感じている学生は278名(11.4%)でした。 

医学生の不安についての質問項目では、実習の中でも「臨床実習」「病院実習」に対する不安が圧倒的に多い結果で、調査時点では実習の中止のみが決まっていて、どのような対応が取られるかわからないことによる不安が多く見受けられました。

・学習について

アンケート調査実施時点で7割近くの回答者が、何かしらのオンラインによる学習の実施が予定されていると回答しました。4月時点でオンライン授業を受けたことがある人のうち、74.1%が「オンライン授業の方が学習しやすい」または「どちらとも言えない」と回答しました。「オンライン授業の方が学習しやすい」と答えた医学生の人数は、「対面授業の方が学習しやすい」と答えた人の1.8倍に上りました。オンライン授業志向は特に3~4年生で顕著に見られました。

・ボランティアへの意欲について

データ整理のボランティアについては、いずれの学年もおよそ70%以上の学生が「参加する」と回答しましたが、学年が上がるごとに「参加しない」と回答した学生の割合が増加する傾向が見られました。特に5~6年生では他の1~4年生に比べて「参加しない」とした学生が顕著に多く、およそ30%に上りました。一方で、公衆衛生業務へのボランティアについて学年ごとの分布を見ると、データ整理のボランティアとは逆に高学年(5~6年生)が「参加しない」と回答した割合が最も少ない結果となりました。

・今後の関心について

自由記述で今後の関心について回答を募ったところ、「医療情報の発信」「公衆衛生の勉強」「感染症の勉強」への関心が高いことがわかりました。低学年ほど情報発信に関心が向き、一方で高学年ほど、自分の勉強に関心が向いているという傾向が確認されました。また、社会に向けて発信したいことがあるかという自由記述の設問に対して、学生ボランティア等に言及した意見も散見され、「非常時において、何かできるのならば何かしたい」と述べる学生がいた一方で、責任能力の点などから慎重な対応を促す声もありました。また、少数ながら「実習ができないのであれば、1年留年してでも実習をしたい」と述べる学生も存在しました。

MyFFは第2回のアンケートも企画しており、今後これらのアンケート結果を「医学生の声」として医学教育に反映させることを目指して活動を続けます。

〇MyFFの活動形態と参加募集

MyFFでは、LINE公式アカウントを通じて全国の医学生にアンケートをお届けし、ご回答いただいています。回答は、個人を特定できない形で統計的に処理し、今後の政策・制度への提言のために様々な解析を行っています。分析結果はその都度MyFFホームページにて公開しております。現在1,120名の医学生にLINE公式アカウントに登録いただいており、今後も全国にて拡大を続けていく予定です。

MyFFは、運営サポートの先生方に加え、Directorと称する全国の医学生メンバー8人が中心となって運営しています。Directorは、組織運営や広報活動等を担うOperation Team、アンケートの企画と設計を担うSurvey Team、アンケート結果の解析を担うAnalysis Teamの三つのチームに分かれて相互に協力し合いながら活動しています。

現在、各大学にMyFFをさらに広めていただく医学生メンバー(Coordinator)に続々と加わっていただいています。下記の通りまだまだメンバーを大募集しておりますので、少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひお問い合わせください。

〇Recruit

MyFFは一緒に活動する医学生を募集しています!

【コーディネーター募集】

MyFFでは、医学生のコーディネーターを募集しています。全国の医学生の声を集め、しかるべき機関に届けるためには、全国の大学の多くの学年にハブとなる方が必要です。ぜひ一緒に活動しましょう。

【コーディネーターの役割】

所属大学の学生LINE等を使ったアンケート回答依頼

【どんな経験ができるか】

「他大学の状況を知りたい」「医学生の考えを知りたい」といった問題意識を持ったときに、ディレクターと協議のうえで調査を行うことが可能です。調査結果をもとにした発表や発信の活動ができる場合もあります。

【調査結果閲覧/応募/問い合わせ】

当団体のWEBサイトにお越しください。

WEB:http://myff.jp/

 

 

 

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