10年目のカルテ

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【リウマチ・膠原病内科】須田 万勢医師
(聖路加国際病院 リウマチ膠原病センター)-(前編)

総合診療科から膠原病内科へ

浪口先生

――先生はもともと膠原病内科志望ではなかったそうですね。

須田(以下、須):はい。幅広い病気に対応できて、患者さんの人生に寄り添う総合診療医になりたかったんです。臨床研修先は総合診療の教育で有名な諏訪中央病院を選び、そのまま後期研修医として残りました。家庭医療専門医も取得し、当時は一生プライマリ・ケアに携わっていくつもりでいましたね。

――ではなぜ今、膠原病内科にいらっしゃるのでしょうか。

:実は、膠原病内科が近くにないような病院では、総合診療科がその受け皿になることも多いんです。僕が3年目になる頃、諏訪中央病院で膠原病を診ていた先生が亡くなってしまいました。そこで、聖路加国際病院の先生たちから定期的に指導を受けつつ、総合診療医が数名で分担して患者さんを診ることになったんです。ケースディスカッションと診療を繰り返し、「これは興味深いな」と思うようになった頃、聖路加の先生から「本気で膠原病を学びたいなら、うちで修行しないか」と声をかけていただきました。

――具体的にどんなところに魅力を感じたのでしょうか。

:魅力の一つは、診断をつけていくところです。膠原病内科は、不明熱や関節症状、皮疹などで受診したが診断のつかない患者さんの最後の砦になることもあり、がんや感染症など膠原病以外の様々な可能性も考えながら診断をつけていきます。また、臓器が限定されない疾患を扱うので、全科にわたる幅広い知識が必要になります。こうした点で総合診療とは親和性が高いのですが、総合診療医は膠原病を苦手とすることが多く、この分野を極めればかなりの強みになると感じました。

もう一つは、治療にも専門家ならではの奥深さがあることです。ステロイド一つとっても、投与期間や量、頻度などが少し異なるだけで、副作用や効果が大きく変わります。薬の使い方を教科書的に知っていることと、オーダーメイドで使えることには大きな差がある。総合診療だけでは治療学を深めるのに限界があると感じていた僕にとって、膠原病という専門分野に飛び込むことは、新しい世界を開拓するような喜びがありました。

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