医師国家試験のあゆみ

医師国家試験の制度はこれまでどのような変遷をたどってきたのか、これからの制度について現在どのような議論がなされているのか、紹介します。
国試のあゆみ

その他、医師国家試験に関連する大きな変化

2001年 医学教育モデル・コア・カリキュラムが策定される
2004年 卒後臨床研修が必修化される
2005年 共用試験が正式に実施される

医師国家試験の変遷

みなさんは、自分の親の世代が学生の頃、医師国家試験がどんなものだったのか知っていますか?実は戦後約70年をかけて、国家試験の制度は大きく変わってきています(上記)。例えば、いま60代後半の医師が受験した頃の国試には口頭試問がありましたし、いま50代後半の医師の頃には、国試は年に2回行われていました。これだけでも、かつての医師国家試験が現在とは大きく異なるものだったことがわかるのではないでしょうか。
試験内容についても、1978年に医師国家試験出題基準が初めて策定され、2001年には医師国家試験設計表という形で分野ごとの出題配分が公開されました。2006年には問題・解答が厚生労働省から公表されるようになり、徐々に透明化されてきていると言えるでしょう。さらに、コアカリの策定や卒後臨床研修必修化など、医師養成のカリキュラムや制度の変化も、国試の制度や内容に大きな影響を与えてきました。

今後の改善の方向性

前ページで紹介したように、近年は医師国家試験改善検討部会が概ね4年に一度開催され、国試の改善について議論が行われています。ちょうど現在(2014年度)も検討部会が行われており、年度末をめどに報告書がとりまとめられる予定です。この内容を踏まえて出題基準の改定が行われることになっており、いま低学年の医学生が受験する頃には、現在の議論を踏まえた新しい形で国試が行われるようになるかもしれません。
検討部会では、国家試験を一連の医師養成の流れの中に位置付けたうえで、その役割を十分に発揮できるようにすることを課題にしています。国試と卒前教育の整合性はもちろん、卒後の臨床研修や専門医制度にもつなげていけるよう議論が行われています。いまの6年生が初期研修を終える2017年には新しい専門医の養成がスタートするほか、2020年度には医師臨床研修制度の到達目標を見直すことが検討されているなど、医師養成のプロセスは常に改善されており、それに合わせて国試のあり方も議論されているのです。

いま議論されていること

では、国試はどう変わっていくのでしょう。最近の検討部会の報告書から、具体的な議論のポイントを見てみます。
例えば、国試の出題内容を、基本的臨床能力を問うものに重点化することが課題に挙げられています。議論の中では、「現在の国試では臨床実地問題と一般問題が250問ずつ出題されているが、一般問題の出題数を再考する余地があるのではないか」という指摘もあります。一般問題の内容の一部は共用試験で評価できるという見方がある一方、現在は共用試験の成績評価が大学間で統一されていないため、2014年度の検討部会でも、まずは共用試験の標準化について議論が行われました。
検討部会の資料や議事録は、厚生労働省のホームページでも公開されています。みなさんに直接関係のあることですから、医学教育や医師養成について関心のある方は見てみてはいかがでしょうか。

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