事務職員/アシスタントプロデューサー
医療法人かがやき 総合在宅医療クリニック
海野 航平さん

チーム医療のリーダーシップをとる医師。円滑なコミュニケーションのためには他職種について知ることが重要です。今回は、医療機関の「縁の下の力持ち」である事務職員の皆さんの、様々な仕事の様子をお伝えします。

クリニックの根幹を支える

main クリニック事務の皆さんと。写真左端が海野さん。€

医療の担い手は、患者に直接処置を施す専門職だけではありません。岐阜県の総合在宅医療クリニックの海野航平さんは、事務職員として、レセプト業務、カルテ作成からクリニック新聞の発行まで様々な仕事を担当しています。また、台湾など海外からの研修生を受け入れたり、日本の医療制度・在宅医療に関する質問に回答する「アシスタントプロデューサー」としての業務も行います。

海野さんの仕事のうち、大きな比重を占めるものの一つはレセプト*1業務です。その日の診療が終わると、診療録から診療報酬を算定してレセコン*2に入力しておき、それを1か月ごとにまとめてレセプトとして出力します。薬局から疑義照会があって処方内容を変えた場合など、レセプトと実際の診療実績の間にはズレが生じる可能性があるため、算定漏れや過剰請求がないか慎重に確認します。また、患者さんの保険証が更新されているか、医療費助成の対象となる疾患・障害があるかなどを確かめ、自己負担が高くなることを防ぐのも大切な仕事です。

「一見ルーティンワークのようですが、診療報酬は2年に1回改定されますし、患者さんの日々の状態によっても診療報酬の算定要件などが変化するので、注意が必要です。システムが複雑で難しいことも多いですが、そこがかえって面白いです。

医療機関の収入は診療報酬がほぼ100%ですから、それを管理する医療事務の仕事は、医療を提供する体制の根幹を支えていると自負しています。現場で働く専門職は皆、プロとしての矜持を持ち、懸命に働いています。皆さんの努力を無駄にしないよう、私も緊張感を持って仕事に臨んでいます。」

地域医療の担い手として

町のお祭りへの出店など、地域密着型のクリニックならではの仕事もするという海野さん。

「当院は在宅医療専門ですから、事務が患者さんと直接お会いする機会は少ないですが、診療録や看護師さんの話から、『この人は良くなってきたな』と様子がわかることもあります。顔は見えなくても、患者さんの存在をなんとなく感じ取れるのは嬉しいことで、地域医療に関わってよかったと思いますね。」

そんな海野さんに、医師・医学生に期待することを尋ねると、意外な答えが返ってきました。

「医師はご機嫌でいてくださればそれでいいです。プロが気持ちよく仕事をしてくだされば、それで大抵のことは上手く回ると思うんです。同時に、私たち事務方も『ご機嫌でいる』ことを心がけています。スタッフの皆さんを毎日気持ちよく送り出し、訪問先から帰ってきたときには暖かく出迎えるのも、私たちの仕事ですから。」

*1 レセプト…診療報酬請求明細書のこと。医療機関が医療費の保険負担分を保険者(医療保険事業の運営者)に請求するため発行する。月末締めで翌月10日までに提出する。

*2 レセコン…レセプトコンピュータの略。診療報酬点数を計算し、レセプトを作成するためのコンピュータのこと。

※この記事は取材先の業務に即した内容となっていますので、施設や所属によって業務内容が異なる場合があります。

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