学校保健において医師ができること(前編)

これまでに紹介した、田草先生・山田先生の事例も踏まえつつ、医師はどのようにして学校保健に貢献することができるのか、考えてみましょう。

多職種が関わる学校保健

ここまで事例を通じて見てきたように、学校保健活動には養護教諭・担任の先生・学校医・保護者など、様々な人が関わっています。また、今回の事例には出てきませんが、学校歯科医・学校薬剤師など、医療系の様々な職種が関わる事例もあります。

それらの様々な関係者をつなぐハブとしての機能を果たしているのが、養護教諭です。保健室は子どもたちにとって、病気や怪我をしたときに訪れるだけでなく、健康相談に乗ってもらったり、辛いときや悩みがあるときの逃げ場・拠りどころにもなりうる場所です。また養護教諭は、そんなふうに保健室を訪れる子どもたちはもちろん、全ての子どもたちの健康状態を、健診の結果などから把握しています。もし子どもたちの健康状態について気になることがあれば、担任の先生や保護者と連絡を取り合い、必要があれば学校医などの専門家につなぐ役割を担っているのです。

ではそうしたなか、学校医が学校保健活動をより良くするためにできることとは、いったい何でしょうか。これまでの2事例を改めて振り返ってみましょう。

学校医活動をより充実させる

松江市の田草先生は、健診を流れ作業にしないために、コミュニケーションの充実を図っていました。自らが子どもたちに話しかけるようにするだけでなく、学校にも提案書を書いて協力を仰いだそうです。また、インフルエンザ等で行事の中止が推奨される場合には、養護教諭の先生と連携して校長に助言をすることもあるそうです。このように、医師自らが学校現場に積極的に関わることで、学校保健活動の中心にいる養護教諭の業務を円滑にすることができるのです。

さらに田草先生は、健康相談や健康教室を積極的に行っていました。これらは、子どもたちの現在の健康を保つだけでなく、健康意識を高め、長い人生をずっと健康でいてもらうための活動として、予防にも大きく貢献するはずです。疾患のある子どもだけでなく、健康な子どもとも日常的に触れ合えるのは、学校医活動の魅力の一つと言えるのではないでしょうか。

 

 
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