
医学生のみなさんは、「医師会」についてなかなか具体的なイメージを持てないと思います。そこで、医師会が「健康や医療を守る」現場をいくつか見てみましょう。
身近な例では、小学生のころに学校で健康診断を受けたことがあるかと思います。この健診を行うのは「学校医」で、医師会の紹介で自治体から委託を受けた医師の場合が多いのです。健診だけでなく、養護教諭と連絡しながら、感染症の流行に目を配ったり、学校で怪我をした子の親に専門家として対応したりもしています。
また、一定以上の規模の工場や職場には「産業医」と呼ばれる医師を置かなければならないことは、公衆衛生の授業などで習うはずです。この「産業医」も、労働者の健康を守り、毒物・過労等に過度にさらされていないかをチェックするために制度化されました。現在も、産業医認定のための講習会などは医師会で行っています。
感染症対策においても医師会は重要な役割を果たします。ニュースや新聞などでインフルエンザなど感染症の流行状況が報道されますが、その根拠になるデータは、各地の病院・診療所の患者数の報告が基になっており、報告への協力は医師会を通じて要請されています。予防接種も多くの市町村で医師会との契約で推進されています。また抗ウイルス薬の適正な配分調整にも関与しているのです。
このように、国民の健康を守り、医療提供体制を維持するためには、様々な施策に加え、医師が組織的かつ主体的に関わる必要があります。そのために、医師は専門職としての職能団体を作り活動してきました。医師会の活動には「国民の健康と医療提供体制を守る」ことが基本にあると、まず理解していただければと思います。



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