大学紹介

愛媛大学

【教育】愛媛大学で研究医になろう

愛媛大学

愛媛大学医学部 総合医学教育センター 小林 直人

我々のディプロマ・ポリシー(卒業時に身につけておくべき能力)には、『医学の進歩のために基礎・社会医学と臨床医学との両面での研究が不可欠であることを認識し,自らも研究マインドをもって医療を行うことができる』という項目があります。これを実現するため、愛媛大学では1年次の5月から研究室配属が始まります(1年次は必修科目、4年次までは選択科目)。そのまま研究室で研究を続け、卒業までに筆頭著者として英語論文を書いた学生も少なくありません。英文論文の校閲費用も補助されますし、優秀な学生には英語での学会発表の支援も行います。

我々の取り組みは高く評価され、平成24年度には文部科学省の平成24年度「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成 ~医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成~」事業に採択されました。全国でわずか10大学だけが採択された事業です。ただし我々はディプロマ・ポリシーに謳っているように、基礎研究医だけではなく、研究マインドを持った臨床医(アカデミック・ドクター)も育成しなければならないと思っています。

「研究」とは今ある知識を疑うことから始まる、と断言してよいでしょう。現時点での知識を疑い、より正しいと思われる仮説を設定し、それを実験や調査によって証明する、という知的活動が「研究」の本質です。もし今日の医療について疑うことが無ければ、医療は永久に進歩することが無い。それどころか、今日の医療を疑わない医療人には常に誤りを犯す危険性がつきまとう。したがって、医学生や医師には疑い続ける姿勢が必要であり、これはごく自然に「研究」という知的活動につながってゆく。これが、全ての医療人に研究マインドが不可欠な理由です。

皆さんも、愛媛大学のプログラムで、世界を背負って立つ研究医になりませんか。

【研究】独自開発した最先端技術を医学・医療に応用

愛媛大学大学院医学系研究科
分子病態医学講座・教授 今村 健志

愛媛大学医学系研究科では、基礎医学から臨床研究さらに産学連携まで幅広い分野で活発に研究活動を行っています。基礎研究においては、工学部を母体とした無細胞生命科学工学研究センターとの医工連携体制を発展させ、平成25年4月にプロテオサイエンスセンターを設立しました。また、橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)の中核として、平成23年11月に附属病院に先端医療創生センターを設立し、“基礎-臨床融合”のコンセプトの下、臨床応用に向けたシーズの開発と育成を進めています。これまでに、ゲノム解析で高血圧感受性遺伝子ATP2B1を世界に先駆けて同定し、独自に開発した培養皮膚を臨床応用し、さらに白血病においては新規遺伝子治療に取り組んでいます。

現在特に力を入れているのは、オリジナリティーの高い世界最先端の技術開発です。「プロテオミクス技術開発」では、愛媛大学が独自に開発したコムギ無細胞タンパク質合成技術とノーベル賞を受賞した田中耕一博士が開発した質量分析を組み合わせ、がんや生活習慣病の新しい診断技術開発、さらに、難治性感染症のワクチン作製に取り組むなど、独創的な実用化研究を展開しています。一方、「バイオイメージング技術開発」では、ノーベル賞を受賞した下村脩博士が発見した緑色蛍光タンパク質(GFP)と愛媛大学医学系研究科が企業と共同開発した新規蛍光顕微鏡を組み合わせ、生物が生きている状態で、体内で起こっている現象を画像化する技術を開発し、未だ明らかにされていないさまざまな生命現象の本態に迫る研究、病気の本質に迫る研究、さらに新たな診断・治療薬の開発に繋がる研究を推進しています。一方で、得られた研究成果をもとに医療機器の開発もおこない、特にがんに関しては、新たな光内視鏡の開発、超早期がんの発見や安全な低侵襲手術のための機器開発を目指しています。

【学生生活】1年次から研究に触れ、最先端の医療を学ぶ

愛媛大学医学部2年 中本 健太
同2年 佐伯 彬

中本:愛大には医科学研究というカリキュラムがあって、1年次から研究室に所属して最先端の医療を学べるんです。右も左も分からない1年生が研究室に来ても足手まといになることも多いと思いますが、とにかく早いうちから研究に触れる機会を作ろうということで、週に1回くらい研究室に行って研究のやり方を習います。学会発表などをすると「学生研究員」に認定されて、段階に応じた給与をもらえます。やはり給与をもらうと、それに応えなければという意識が高まります。

佐伯:僕は公衆衛生の研究室で睡眠について研究しています。先日、日本産業衛生学会が松山で開かれたんですが、研究室の先生に「お前発表してみろ」と言われて、ポスター発表をしました。普段着慣れないスーツを着てガチガチに緊張しながら説明してきたところです(笑)。

中本:今は解剖実習をやってます。実際にご献体いただいたご遺体を見ると責任を改めて感じるし、その分実習もハードです。相当な思いでご遺体を捧げられた方たちなので、学生が生半可な気持ちで臨んでいると先生の雷が落ちます。

佐伯:解剖学が分からないと将来困るのは学生自身であり将来の患者さんでもあるので、先生も学生が完全に理解するまでは家に帰してくれません。こちらも先生の意気込みはひしひしと感じてるんで、いい加減なことはできないなと思います。

中本:僕はMSG(医療を考へる会)というサークルに所属しています。週に1回、各々が関心のあるテーマについて発表をして議論するんです。テーマとしては「がんの告知について」「水俣病」、最近だと「方言と医療」とか。自分の将来を考えるいいきっかけになります。

佐伯:僕はバレーボール部に入っていて、今の僕の世界は大学の授業とバレーボールを中心に回ってる感じですね。西医体では一昨年に優勝し、去年もいいところまで行きました。周囲からはまぐれじゃないかって言われてますけど(笑)。医学祭のブースも部活単位で出すので、日頃は部活の人間と行動する機会が多いですね。


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