日本の国際保健の発展をめざして
九州大学医学部熱帯医学研究会

熱帯医学研究会(以下熱研)とは、国際保健について実際に現地を訪れて研修する部活で、現在約30 名の部員が所属しています。既存の国際保健サークルとしては日本で最も古いものの一つで、1965 年に創設されました。創設以来、継続的に国内外に部員を送り出して来ました。創設当初はまだアメリカ領だった沖縄への学術調査の同行に始まり 、次第に海外での活動も増え、現在までの研修地は25か国を超えています。毎年熱研では、部員の知的好奇心に従って活動班を企画し、事前の勉強会を行います。そして活動終了後、現地で得た経験を報告会で共有し考察を深めます。それらをもとに毎年報告書を執筆、発行しています。また議論を深め、他の国際保健サークルとの親睦を保つ機会として、毎年春に大分県の九重連山にある研修施設で九州山口各大学のサークルを招いて合宿を行っています。
【熱研の特徴】
熱研は、部員の「やりたい」という気持ちを尊重しています。そのため活動の多くは、既存のフィールドワークに参加する形をとりません。部員自らフィールドワークを企画・実行するため、高い企画力、実行力、考察力が培われます。そのためか卒業された先輩方は、様々な分野で活躍されています。
【昨年度の活動】
《アフリカケニア班》ケニアにある長崎大学熱帯医学研究所の協力のもと、マラリアとHIV対策を通してアフリカの公衆衛生と日本の行っている取り組みについて学びました。
《フィリピン班》フィリピンで九州大学とJICAが共同で行っているレプトスピラ症の研究とJICAの発展途上国支援の在り方を学び、継続性の欠けていた熱研の活動の「今後」を考察しました。
《かにた婦人の村班》千葉県にある婦人保護施設で、精神疾患や発達障害のために社会的弱者となった人々が支えあって生活しているコロニーに混ざり、そういった人々のコロニーと社会との在り方を考察しました。これらの活動報告書は、WEBにて公開しています。ぜひご覧ください。
【今年度の目標】
九州山口地区を飛び出し、国際問題に携わる他学部の学生や教授、全国各地の大学の国際保健サークルの方々に熱研を知って頂き、お互いの活動に関して議論を深め合い、日本の国際保健の発展へとつなげていけたらと考えています。今年度の活動報告会を11月に行う予定です。ご興味のある方は下記URLよりご連絡下さい。また、当日参加することができない方々にも、情報を共有できるような方法を考えています。(第48期総務 磯崎 祐希)
URL:http://tropical.umin.ac.jp/
国際医療・地域医療をより身近に
MeTs-Japan(Medical Treasures in Japan)

MeTs-Japanはミャンマー部門・カンボジア部門・地域医療部門の3つの部門から構成され、特定非営利活動法人ジャパンハートや地域医療に尽くしている医師の方々のご協力を得て、発展途上国での医療や日本の地域医療にご興味のある学生の方々へ医療現場体験の機会を提供している学生部会です。
ミャンマー部門では、5日間の学生国際医療研修にご参加頂けます。ジャパンハートが薬や検査などの無償医療援助活動を行っている、ミャンマー中部の村落にある慈善病院で3日間の研修があります。ミャンマーでは、医療費は一般人の月給数か月分から年収相当ほどの超高額であり、ミャンマー全土から最後の拠り所を求め集まってくる患者さんが後を絶たない状況です。ここでは、医療行為のお手伝いや患者さんのお話を聞いて頂きます。また、医療関連施設やDream Trainにも見学に行くことが出来ます。
カンボジア部門での研修には、手術ミッションと移動診療の2つがあります。手術ミッションでは病院を訪れる患者さんたちとの関わりや手術の見学などを体験していただき、移動診療では村への巡回診療活動を体験していただきます。これには、手術ミッションのための患者選定と、病院から遠い地域に医療を届けるという2つの目的があります。2日間で数百名の患者さんが受診される多忙な現場のため、患者さんの整理・整列、バイタル測定、機材・荷物の運搬などの業務をスタッフと一緒に行っていただきます。
地域医療部門では、ジャパンハートの関連施設を中心に、日本の離島、僻地など“医療の届きにくいところ”の医療を担う病院へ学生を派遣しております。具体例としては、長崎県五島列島にある上五島病院から、山梨県の市立牧丘病院まで多様です。今年度から、ジャパンハートの東日本大震災復興支援の本拠地である、ジャパンハートこども・内科クリニックにも訪問できるよう調整を進めております。関連施設でなくとも、私たちに一声かけてくだされば、連絡を取らせていただきます。
国際医療・地域医療に興味がある方はたくさんいらっしゃると思いますが、実際に一人で行動を起こすのは、なかなか大変なことではないでしょうか。MeTs-Japanは、そのあなたの一歩を手助け致します。学生のうちに、実際に行動を起こし視野を広げることは、将来の可能性も広げることにつながると思います。少しでも興味のある方は、MeTs-Japanにご連絡下さい!



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