グローバルに活躍する若手医師たち
日本医師会の若手医師支援
JMA-JDNとは
Junior Doctors Network(JDN)は、2011年4月の世界医師会(WMA)理事会で若手医師の国際的組織として承認されました。JDNは、世界中の若手医師が情報や経験を共有し、未来の医療を考えて行動するための画期的なプラットフォームです。日本医師会(JMA)は2012年10月に国際保健検討委員会の下にJMA-JDNを立ち上げました。これまで若手医師の集まりは学会や医局、地域、NGOなどの枠組みの中でつくられてきました。JMA-JDNは、多様な若手医師がそれらの枠組みを超えて、公衆衛生や医療分野において自由に自分たちのアイデアを議論し行動できる場を提供したいと考えています。関心のある方は検索サイトやFacebookで「JMA-JDN」と検索してみてください。
今回は、JMA-JDNの若手医師より、オンライン留学についての報告を寄せてもらいました。
サクラサク__ドイツ医師免許試験受験体験談
ブランデンブルク心臓病センター・循環器内科, WMA-JDN Communications Director, JMA-JDN国際担当役員 岡本 真希
今回は、私のドイツ臨床留学中の受験体験とドイツの医師国家試験について紹介します。ドイツの医師国家試験はM1・M2・M3の3回に分かれており、M1は一般教養の筆記試験および生理・生化・解剖学の口述試験で、医学部2年次に受験します。5年次に受けるM2は各専門科の病態生理や疾患についての筆記試験(Multiple Choice)で、6年次に受けるM3は日本のOSCEのような実技試験および医学知識の口頭諮問です。M2合格後1年間の病棟実習に出て、その後M3に合格すると本免許が取得できる仕組みです。私のような外国人医師は、最終試験であるM3に相当する試験に合格すればドイツ人と同じ医師免許が取得できます。
M3の実際の試験は2日間で、1日目は病院で担当患者を割り当てられ、一通り問診・診察する様子をチェックされます。その後ショートプレゼンとベッドサイドでの口頭諮問が行われます。次に別室で診断、病歴、既往歴、身体所見、入院中の経過、今後の方針を記載した退院サマリを作成し、提出したら1日目は終了です。
2日目は州の医師会館で、3人の面接官(内科・外科・家庭医それぞれ一人ずつ)を相手に1時間の口述試験を行います。質問は診断学、病態生理学から薬理学まで多岐にわたり、かなり臨床に準じたものでした。症例を提示され、問診で聞きたいこと、やりたい検査とその理由、予想される結果、治療の選択肢などを聞かれます。日本では馴染みのない口述試験ですが、なんとなく把握しているだけで自分なりに解釈できていないことは説明できないので、各分野に関してより深く、臨床に即した実践的な知識が要求されるように思いました。臨床1日目から現場で機能することを求められるドイツらしい試験だと感じました。


佐賀大学卒、洛和会音羽病院にて臨床・専門研修修了。2017年渡独、2019年より臨床医としてドイツにて勤務中。
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ロックダウン中のドイツの休日は焼きたてパンで朝食、散歩の繰り返し。皆さんは?
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※寄稿:2021年5月
※先生方の所属は、寄稿当時のものです。



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