10年目のカルテ

地道な研究の積み重ねで先進的な分野を切り拓く

【神経内科】島田 斉医師
(放射線医学総合研究所 分子イメージング*研究センター)-(前編)

臨床志向の研究者

――いつから神経内科医を目指していましたか?

島田先生

島田(以下、島):親が神経内科の医師で、昔から神経内科医になるイメージはありました。医局を決めるときに小児科や放射線科も気になりましたが、脳神経が最も面白そうだなと。2年目は救急病院に研修に行き、とにかく何でも診る経験をしました。もともと2年目は脳神経外科を回って、脳を内と外の両方から診たいと考えていたのですが、憧れていた先生に誘われたのがきっかけで、救急病院の神経内科に行くことにしたんです。結果的に、臨床のスキルをキープできているのは当時の経験のおかげだと思っています。

――「いずれは研究者になろう」と思っていたのでしょうか?

島:実はそうではなくて、僕はバリバリの臨床志向なんです。放射線医学総合研究所(以下、放医研)に来たきっかけは、研修医の時の最初の指導医がたまたま放医研で研究をしていて、PET*検査の見学に行かせてもらったことでした。そこで脳のイメージングの面白さに気づきました。4年間は大学に籍を置きながら放医研で研究をし、大学院を出て現職につきました。


*分子イメージング…生体内で起こる様々な生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化することであり、生命の統合的理解を深める新しいライフサイエンス研究分野。
* PET… Positron Emission Tomography(ポジトロン断層法)。ポジトロン(陽電子)を放出する薬を体内に吸収させ、放出される放射線を画像化することで、脳や心臓の働き、がんなどを調べる検査法。
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