
臨床研修の先には、様々なキャリアのターニングポイントや、ライフステージの変化が待っているかもしれません。
診療科選択
臨床研修が終わるといよいよ、どの診療科に進むか決定します。「患者さんと長期にわたりじっくり関われる」「全身を診られる」「難易度の高い手術や最新の手術に携わりやすい」「未知の領域が多く、研究しがいがある」といった各診療科の特徴や、「医局の雰囲気が良い」「ワーク・ライフ・バランスを保ちやすい」といった環境面のポイントなど様々な観点から、自分に向いている診療科を考えましょう。
専門研修
臨床研修修了後はほとんどの人が、どこかの病院の専門研修プログラムに所属し、基幹施設と連携施設をローテートしながら専門医資格の取得を目指します。自身や家庭の都合で研修を休止せざるを得ない場合は、様々な例外対応が用意されています。専門研修修了後は、大学病院で研鑽を積んだり、地域医療に従事したり、サブスペシャルティ領域の専門研修に進んだりと、様々な選択肢が広がっています。
大学院入学
「専門領域の知見をさらに深めたい」「医学研究の考え方を身につけたい」「医学の進歩に貢献したい」など様々な理由から、大学院に進んで博士号の取得を目指す医師も多くいます。専門研修修了後、臨床研修・専門研修と並行して入学したり、専門研修修了後に入学したりと、そのタイミングは様々です。学費の支払い等も発生するため、今後の人生設計も考慮しながら入学時期を考えると良いでしょう。
家庭を築く
医師は多忙で、異動も頻繁にある仕事です。結婚、あるいはそうした形をとらずとも、誰かと将来を共にしたいと考えるようになると、そのタイミングに悩む人もいるかもしれません。パートナーと自分、双方のキャリアや希望を尊重しながら、住む場所や働き方、今後のライフプランなど、様々なことを検討していく必要があるでしょう
海外留学
海外留学には、臨床留学、研究留学、公衆衛生学修士(MPH)や経営学修士(MBA)コースへの進学など様々な種類があります。留学中は最先端の技術や知見を学んだり、異文化に触れて視野や人脈を広げたりと、意義深い時間を過ごせるでしょう。一方で、言葉・文化の違いによる苦労や経済的な負担も生じ得ますし、家族がいる場合は帯同してもらうかどうかを考える必要が出てきます。
出産・育児
子どもが欲しいと思う人は、そのタイミングも悩みどころかもしれません。それに、望んだタイミングで授かれるとも限りませんし、復職しようにも預け先が見つからないこともあり得ます。また女性の場合、妊娠中や産後の体調によっては思うように働けない、といったこともあるかもしれません。男女共に、育休や仕事復帰後の働き方などについて、パートナーや職場、周囲の人とよく話し合う必要があるでしょう。
臨床医以外の道
臨床に従事する以外にも、基礎研究者や産業医、公衆衛生医師など、様々なキャリアの選択肢があります。キャリア選択のタイミングも人によって様々で、医学部卒業直後や臨床研修直後からその道に入る人もいれば、ある程度臨床経験を積んだうえで、新たなフィールドとして臨床以外の道に転身する人もいます。臨床医志望の人であっても、将来の選択肢として様々な道を知っておくと良いかもしれません。



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