大学紹介

琉球大学

【教育】国際医療拠点形成に向けた新たな医学教育の取り組み

琉球大学 医学部 医学科長 分子解剖学講座 教授 高山 千利

先生

本学医学部は沖縄県唯一の医育機関であり、「地域特異性を生かした先端医学研究」及び「地域完結医療構築のための島しょ循環型の医師の育成・輩出」をミッションとしています。加えて、昨年返還された西普天間住宅地区跡地への移転及び同地区での国際医療拠点を形成する方向で進んでおり、その中核としてのミッションが新たに加わります。

上記のようなミッション、将来的展望を踏まえて、以下のような取り組みを行っています。1年次入学後すぐに、シミュレーション演習として、コミュニケーションスキルの体得、シミュレーターを利用した診察・治療の模擬体験を実施しております。さらに、生物未履修者への対応も考慮して、医学に必要な理科知識を分子細胞生物学として集中的に教育する取り組みを始めました。研究者マインド涵養の取り組みとして、1年次からの講座での研究を推奨し(全学年で20名程度の学生が研究している)、3年次には3か月間の海外・国内を含む研究室でのベンチワークを全員が行います。さらに、国際医療拠点の柱となる沖縄健康長寿や再生医療などの琉大特色科目を3~4年次に3コース程度設定し、専門分野の学外講師も招聘する予定です。臨床実習は、実践力の高い医師の育成を目的として、研修病院として全国的に有名な県立中部病院と協力し、宿舎に泊まり込んでの1か月間の参加型臨床実習を実施しております。また、地域医療への関心を高めるために、3年次にはほぼ全員に離島での病院見学実習を実施し、6年次には、宮古島など離島診療所での参加型実習も行います。さらに、現在、海外の4大学と提携を結んでおり、10名弱の学生が海外の大学で臨床実習をするとともに、同数程度の海外の医学生が実習に訪れます。本学医学部は、今大きな転換期にあり、新しい特色ある教育プログラムを教員・学生全員で作っています。

【研究】亜熱帯島しょ県、沖縄の医学研究

琉球大学 医学部 副学部長 人体解剖学講座 教授 石田 肇

がん・脳疾患・循環器疾患等の先進的な研究に加え、日本列島で唯一、亜熱帯に属する島しょ県である沖縄の特徴を生かした感染症研究・遺伝学研究・健康長寿の機序解明研究や亜熱帯特有の疾病研究などで独創的研究成果を上げてきました。熱帯・亜熱帯環境下での感染症研究としては、糞線虫感染症と成人T細胞白血病(HTLV-1)、またHIV感染との関係等の研究、HHV-8を原因とするカポジ肉腫研究等が進められています。狭い婚姻圏に由来する遺伝性疾患についても実績があります。かつて世界屈指の長寿地域であった沖縄県において健康長寿社会が急速に崩壊している現実を深く受けとめ、急速な生活習慣の変化に伴う代謝疾患ならびに生活習慣病の予防から、長寿県沖縄の復興を目指す長寿医学を進めています。具体的には、コホート研究や食事介入等の臨床疫学研究に加え、肥満症や糖尿病の新しい病態メカニズムを臓器連関の中で捉え、視床下部・脂肪組織・消化管・血管・膵臓・肝臓・骨格筋など臓器相互のネットワークの破綻と機能異常のしくみを統合生理学・分子栄養学的アプローチによって解明するため、臨床医学と基礎医学が一体となり研究しています。これらの研究基盤として重要な、琉球列島の人々の分子遺伝学研究も盛んであり、一塩基多型60万個を沖縄本島、先島(宮古・石垣)の人々を対象に調査し、宮古島集団の分集団化等を確認しました。このような背景をもとに、平成28年4月に「先端医学研究センター」を設置し、世界的に競争力を持つ研究の核となる「創薬」・「感染症」・「疾患ゲノム」・「再生・移植医療」・「疫学」の研究についてさらなる発展を目指します。今後、沖縄の健康長寿の機序解明や亜熱帯特有の疾病研究など地域性を生かした独創的・先端的な医学研究を推進し、新たな医療技術の開発や医療水準の向上・国際貢献等を目指すとともに、次代を担う人材を育成します。

【学生生活】島しょ医療を実践的に学ぶ

琉球大学 医学部 5年 垣本 啓介
同 3年 友寄 江梨佳

垣本:やはり沖縄は島が多いのが特徴だと思います。僕は2回離島実習に行ったのですが、病院ではなかなか感じられない地域とのつながりを肌で感じられて楽しかったです。島に着いた瞬間から住民のみなさんが僕らのことを知ってくれていて、ぶらぶら歩いていても声をかけてくれたりするんです。

友寄:診療所が島に1個しかないところも多くて、そういうところは診療所が学校や地域の健康増進のための仕事も担っていて、疾患を治療するだけでない面白さがありましたし、とても勉強になりました。

垣本:歴史的にアメリカの影響を強く受けていることも、沖縄の特徴だといえますね。そのためか琉大は、ハワイ大学式のPBLを実施していて、海外の基準に合わせているって聞いたことがあります。確かに少ない情報から徐々に想像していくPBLは他の医学部とちょっと違うみたいです。将来海外に出ていくことを考えても有意義なんじゃないかな。

友寄:沖縄には基地があるので、病院に外国人の患者さんが来ることも結構あります。英語を話せない看護師さんでも外国人の患者さんとコミュニケーションをとっていて、こういう経験は沖縄ならではだなって思いました。

垣本:あとビーチがいろいろな場所にあります。僕は滋賀県出身なのであまり海になじみがなかったんですけど、沖縄では4月からバーベキューができますし、夏はみんなで集まってビーチパーティーをするのが定番で、今は海が近くにある暮らしを楽しんでいます。

友寄:観光スポットは多いので、休みの日に出かける場所には事欠かないですね。あと、那覇って意外とアクセスが良くて、東京にも日帰りで行くことができるし、その点も助かっていますね。

※医学生の学年は取材当時のものです。

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