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「医の倫理」とは何でしょうか。「倫理」は辞書では、「人として守るべき道、道徳、モラル」と定義されています(大辞林第3版)。すなわち「医の倫理」とは、「医に携わる者が守るべき道」と言えるでしょう。

例えば、医学生が何度も触れる「ヒポクラテスの誓い」には医師の職業倫理が、医師国家試験にも出題される「ヘルシンキ宣言」には、ヒトに関する医学研究の倫理・規範が書かれています。医学部でも、人体解剖実習ではご遺体に対する礼儀・態度が厳しく指導され、臨地実習前のOSCEでは、患者さんと接する際に守るべきマナー・態度が試されるでしょう。

医行為は、医師のみに認められた、人に危害を加えうる特殊な行為です。そのため、法律はもちろんのこと、医師会や学会などが自律的に様々な規律を定め、医師の行為が一定の範囲から逸脱することのないよう、制御を加えています。

ただしそのほとんどは、基本的な方針を示すものの、その解釈に幅がある文言です。また「倫理」は時代や文化によって異なり、判断もケースバイケースでなされるため、倫理的な問いに対して、疑いのない唯一の答えがないことも多いと言えます。

医療に関わる私たちは、いろいろな患者を前に、基本的な原則をもとにどう判断し行動すべきか、常に迷い続けることになります。今回の特集では、臨床の場に出た医師はどんな倫理的葛藤に向き合うことになるのか、考えてみましょう。

 

 

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