臨床研修制度を考える

医師としての第一歩をよりよくするために

本誌最初の特集テーマは「臨床研修制度」。研修には様々な不安もつきまとうでしょうが、本来は医師としての基本を身につける自分づくりの期間です。みなさんの医師としての第一歩をよりよいものにするため、「臨床研修」をとらえ直してみましょう。

 「医師としての第一歩」となる臨床研修。学生時代から病院見学や情報収集をする人も少なくありません。その背景には、良い研修を受けて「良い医師」になりたいという思いがあるからでしょう。しかし、この病院で研修を受ければ「良い医師」になれるというような、明確な正解はありません。臨床研修は医師のキャリアの第一歩に過ぎず、また、時と場合、そして活動する地域や施設の特徴に応じて、多様な「良い医師」が必要とされるからです。

 日本では1968年に初めて臨床研修制度が導入され、2004年に現行のマッチング・システムを伴う臨床研修制度が動き始めました。それによって、非常に安い給与水準で「研修」という名の過酷な労働を強いられる例もなくなり、指導体制の充実も図られました。しかし同時に、大学病院に残る研修医が減り、地方における医師不足を加速させたとの批判もあります。それらを受けて、臨床研修制度の見直しが行われ、2010年度から適用されています。

 医学生のみなさんも「臨床研修」には関心があるでしょうが、「どの病院がよいか」を考えることはあっても、「制度」について知る機会は少ないと思います。そこで今回の特集では、臨床研修に対する医学生の声、そして臨床研修を終えた先輩方の声を切り口に、臨床研修と、その背景にある医師養成の制度について考えていきます。

 多様な「良い医師」が必要とされる中、医学生や一般社会からの期待に応えられる「良い臨床研修制度」が簡単に作れるわけもありません。しかし今回の特集を通じて医学生のみなさんが臨床研修制度について知り、よくして行こうと共に考えることは、臨床研修をよりよいものにしていく力になることと信じています。

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