
密着取材レポート
茨城県厚生連総合病院 水戸協同病院
救急科(前編)
茨城県厚生連総合病院
水戸協同病院
救急科
茨城県水戸市にある、病床数401床の病院です。平成25年度には4243台の救急車を受け入れ、地域の救急指定病院としての役割を果たしています。
橋本 恵太郎先生
2015年
筑波大学医学群医学類卒業
救急科をローテート中です。救急科にやってきた患者さんは、基本的に研修医3人と後期研修医1人の体制で診ています。日勤帯は8~17時。救急搬送があり次第PHSに呼び出しがかかり、対応にあたります。
8:15 カンファレンス
朝のカンファレンスで、緊急入院と予定入院の患者さんの情報を共有します。
9:30 グランドカンファレンス
週に一度のグランドカンファレンスでは、各科の研修医が、自分が担当した症例についてプレゼンテーションします。この日は橋本先生も一例発表しました。
ER当直中に診た循環器疾患の症例です。
センター長の渡辺先生が、橋本先生の発表内容についてコメントをくださいました。
12:30 昼食
搬送がないので、感染症に関するレクチャーを受けながら、お弁当を食べました。この日救急科で日勤についている1年目研修医2人(写真中、左から平林先生、木村先生)と、行動を共にしています。
空き時間には、見学に来ている学生に、基本診察についてレクチャーを行いました。

密着取材レポート
茨城県厚生連総合病院 水戸協同病院
救急科(後編)
13:40 救急搬送
PHSに連絡が入り、救急の初療室に向かいます。ほぼ同時に2件の搬送がありました。橋本先生と平林先生は、バスから降りる際に転倒して頭を打った、高齢の女性を担当することになりました。
女性が搬送されて来ました。
救急隊員の方から情報を聞き取ります。
CTなどの撮影に向かいます。
傷口の洗浄後、縫合を行います。
ご家族が迎えに来て、患者さんは帰宅されました。
17:00 引き継ぎ
夜勤帯への引き継ぎを行います。
業務終了
救急科のローテート中は時間に比較的余裕があるので、勤務終了後、研修医室で各自勉強してから帰宅します。割り当てられた抄読会や症例検討の準備のほか、業務中にわからなかったことを調べたり、今まで診てきた患者さんについて、自分が診たあとどのような経過を辿ったのか確認したりしています。家に帰るのはだいたい19~20時ごろだそうです。
interview
プライマリ・ケアを直球で実践できます
――水戸協同病院の特徴はどういったところだと思いますか?
橋本:まず、地方にあるので、研修医が患者さんに対してできることが多いと思います。市民病院なので症例数がとても多くて、コモンディジーズも診られるし、レアな症例も診られます。特徴的なのは、総合診療科をベースに患者さんを診ていることです。臓器ではなく全身を診てプロブレムを挙げ、各専門科の監督を受けながら、全内科や外科、整形外科などの患者さんを入院から退院まで総合診療科で診ます。厚労省が定めている臨床研修の基本理念に「プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身に付けること」がありますが、ここはそれを直球で実践できるところではないかと思います。
――研修医としての生活はどうですか?
橋本:忙しいですが、楽しいです。内科を回っているときは、本当に休みがほとんど取れないこともあったんです。やっと取れた休みも、事務的なことだけを行って終えてしまったりして。ただ、それでも楽しいと思えるのは、研修をしていて、自分が成長していくのが目に見えてわかるからだと思います。患者さんを前にしたとき、その人の状態に応じてどのように対処すべきか判断できるようになってくるし、手技もめきめき身についてくる。病棟でひたすら色々なことをやり続けていることによって、自分の様々な能力がどんどん伸び続けているのがわかるんです。どんなに忙しくても、辛さを上回って得るものがあるなと思いますね。



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