大学紹介
順天堂大学
【教育】「不断前進」の理念と学是「仁」を掲げた医学教育
順天堂大学 医学部 カリキュラム委員長小児思春期発達・病態学 教授 清水 俊明
建学176年に亘る歴史を有する順天堂は常に先取的に学生教育の改革を教職員、専門医師そして学生参加の下に進め、日本の医学教育の指導的立場に恥じない改革を“今、ふたたび「仁」”を掲げつつ行っています。
順天堂大学医学部は、医師になろうと努力する学生に対し、6年間で卒業し、ストレートで医師国家試験に合格させるよう教育しています。実際、平成25年度の医師国家試験では現役生91人が全員合格し、過去10年間の平均合格率は97.0%で全国国公私立医科大学80校中2位となっています。しかしながら単に医師国家試験の合格だけを目指すのではなく、知性と教養と感性溢れる医師となるための全人教育を重んじています。学是である「仁」の精神、すなわち「人在りて我在り、他を思いやり、慈しむ心」を備えた医師の育成に力を注いでいます。さらに最近では、国際化への積極的な取り組みや基礎医学研究者養成プログラムなどを介して順天堂大学医学部の新たなる教育姿勢を展開しています。前者においては1年次から一貫したTOEFL教育や国際医学教育塾などによってUSMLEに向けた教育支援も行っています。また後者では、奨学金制度なども利用し、医学部在学中から大学院の単位を取得し、卒業後2年間で初期臨床研修を終え、卒業4年後には大学院を修了して医学博士号が取得でき、専門医取得も同時進行できるシステムを提供しています。
順天堂大学ではこれらの教育成果の向上を目指し、医学教育や課外活動等を通じて、教員と学生間の距離を縮め、各々の個性を尊重し、学生生活が楽しく充実したものとして過ごせるよう随所に教育的配慮を行っています。
【研究】国際的に活躍する基礎と臨床をつなぐ研究医の養成
順天堂大学 基礎研究医養成プログラム運営委員長
細胞・分子薬理学 教授 櫻井 隆
順天堂大学大学院医学研究科には文部科学省事業等によりアトピー疾患研究センター、老人性疾患病態・治療研究センター、環境医学研究所、感染制御科学研究センター、スポートロジーセンター、先導的がん医療開発研究センター、ゲノム・再生医療センターが整備され、日本有数の付属病院群と連携し、世界トップレベルの基礎・臨床融合研究が展開されています。最先端の共同利用機器と大学院生に対する研究サポート体制が整備された研究基盤センターをコアとして、国立がん研究センター、理化学研究所等国内だけでなく国際交流センターを介した海外研究機関との連携により、学是「仁」の心を持ち世界に通用する基礎医学者、臨床医学者、さらに両者を兼ね備えたフィジシャンサイエンティストを育成しています。
平成24年度文部科学省事業「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」(A)「医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成」に『基礎研究医養成のための順天堂型教育改革』が採択され、医学部と大学院をシームレスにつなぐ3ステップの特別教育コースが開始されました。ステップ1では1年次から研究の基本スキル、研究倫理を学びつつ、ラボローテーションにより自分に合った研究室を選ぶことができます。ステップ2ではチューター及びICT活用によるきめ細かなサポートのもと所属研究室で研究を進め、学会発表・短期研究留学支援を受けられます。ステップ3の大学院では、国際的研究レベルを持つ基礎医学研究者養成のAコースまたは基礎臨床融合研究成果の臨床への橋渡しを推進する研究医を養成するBコースを選択し、それぞれ国内外留学、初期臨床研修を並行して行うことが可能です。多様な興味を持つ多くの学生が活動しており、順天堂国際医学教育塾におけるTOEFL・IELTS教育さらにUSMLE教育と合わせて、国際的に活躍する研究医の養成を進めています。
【学生生活】他学部生と関わりあいながら、医師への第一歩を踏み出す
順天堂大学 医学部 5年 岩瀨 小春
順天堂大学の特色として私がぜひお話ししたいのは、1年次に経験するスポーツ健康科学部の学生との寮生活のことです。ワンフロア16人の「家族」で1年間を過ごすのですが、お互いのことを尊重しながら共同生活を営んでいくことは、学生時代にしかできない良い経験だと思います。私自身中高一貫校出身なんですが、医学生はずっと学業第一にやってきた人が多いと思います。一方でスポーツ健康科学部の学生は運動を頑張ってきた人たちで、違う文化で生きてきた人と一緒に生活するっていうのは刺激的な経験ですし、今やひと足先に社会人になった彼らとは、今後一生の付き合いになるだろうと思っています。
私は部活に入らず大学の自治会に所属していました。順天堂大学には学祭がないのですが、そのかわりに自治会主催のパーティーが12月にあります。これは学年を越えて人間関係を築くことを目的としたもので、都内のホールを借りてほぼ毎年行っています。先生方にも参加していただくので参加者は数百人規模。準備をするのも大変です。参加する人に楽しんでもらうために、去年は抽選会を企画するなどして盛り上げました。
学業面では、順天堂大学は手技を教えてもらうのが他の大学より早いと思います。2年次から糸結びや縫合、心肺蘇生の実技がありますし、3年に上がると手袋やガウンを清潔に着ける方法などを学びます。外科だけでなく、診察の手技も3年から始まります。胸部の聴診とか、腹部の打診とか。もちろん座学の勉強も面白いですけど、やっぱり実技が始まって実際に自分の手を動かしていると、「私は医師になるんだな」という気がして、楽しいですね。


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